AIのカメラが監視、ビーチをより安全に イスラエル新興企業

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イスラエルの企業が、AIのカメラを使ってビーチの監視を支援するシステムを開発した/Sightbit LTD, Israel | Netanel Eliav

イスラエルの企業が、AIのカメラを使ってビーチの監視を支援するシステムを開発した/Sightbit LTD, Israel | Netanel Eliav

(CNN) 浅瀬に潜む離岸流や海岸に近づきすぎたスピードボート、深みにはまった遊泳者――。これらは、海岸を訪れた人々の安全を確保するためにライフガードが監視している危険な出来事のほんの一部だ。

しかし、溺死(できし)は依然として大きな問題で、世界保健機関(WHO)によれば、2016年には世界全体で32万人が溺死した。これは、負傷が関連した死因としては3番目に位置する。

イスラエルの新興企業「サイトビット」が解決策を提示している。社名と同じ「サイトビット」というAI(人工知能)を活用したカメラによる監視システムで、人間のライフガードの監視や潜在的な危険性の検知などを支援する。

サイトビット社の共同創業者で最高経営責任者(CEO)のネタネル・エリアフ氏によれば、このシステムは周囲の監視や危険性の評価、危機の検知を行い、任務に就いているライフガードにリアルタイムで情報共有を行う。これにより、死亡事故の阻止に向けて早期に動けるようになるという。

ライフガードの仕事はプールやビーチ、水中などでの事故を阻止し、緊急事態に対応することだ。しかし、エリアフ氏によれば、ライフガードは四六時中、すべての物事を監視することは出来ず、そのために事故が発生する。ライフガードの仕事の約90%は監視だという。

AIのカメラがビーチの潜在的なリスクを検知し、ライフガードに伝える。リスク検知は深層学習とリスク評価アルゴリズムに基づいて行う/Sightbit LTD, Israel | Netanel Eliav
AIのカメラがビーチの潜在的なリスクを検知し、ライフガードに伝える。リスク検知は深層学習とリスク評価アルゴリズムに基づいて行う/Sightbit LTD, Israel | Netanel Eliav

エリアフ氏は、分析や監視は普通、人間よりもコンピューターのほうがうまく行えると指摘。AIによる監視システムは人間よりも80%早く、水関連の危機的状況を検知でき、緊急事態が発生する前にライフガードに危機を知らせることができるという。

システムは3台のカメラで構成されており、それぞれが100~150メートルの範囲を監視する。子どもだけが波打ち際にいる場合などリスクを検知したらライフガードに通知する。エリアフ氏によれば、この監視システムは人間のライフガードとは違い見える範囲はすべて同時に監視できる。これにより貴重な時間を節約でき、生死の違いにつながる可能性もある。

それでも依然として微調整は必要だ。テルアビブ近くのビーチで試験運用をした際にはシステムが敏感に反応しすぎて、多くの誤った通報が行われたという。このため、同社では危険を測定するアルゴリズムの調整を行っている。

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