量子コンピューター、スパコン1万年の計算を200秒で グーグルが発表

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米グーグルのサンダー・ピチャイCEOと同社の量子コンピューター/Google

米グーグルのサンダー・ピチャイCEOと同社の量子コンピューター/Google

ロンドン(CNN Business) 米グーグルは23日、同社の量子コンピューターが世界最速のスーパーコンピューターでも1万年かかる問題を200秒で解くことに成功したと発表した。

同社のブログや英科学誌ネイチャーに載った論文によると、今回達成した計算速度は、コンピューターが「量子超越性」と呼ばれる域に到達したことを示すという。

量子コンピューターは量子力学と呼ばれる物理学の分野の力を借りることで、従来のコンピューターをはるかに上回る情報を格納し処理できる。

大きな違いとしては、通常のコンピューターが「0」か「1」のどちらかの状態でのみ存在するデータを扱うのに対し、量子コンピューターは「0」と「1」を組み合わせた状態を同時に取ることができる「量子ビット」を活用する。この違いが処理速度の大幅な向上につながっている。

グーグルは可能な限り早く「フォールトトレラントな量子コンピューター」の製造に乗り出す考え。用途としては車や航空機向けの軽量バッテリーの設計や、新薬開発を見込んでいる。

グーグルの実験を巡っては、正式発表日の前にインターネット上に結果が流出し、一部の専門家や競合他社から批判が出ていた。

米IBMは21日のブログで、グーグルが計算タスクの難易度を過大に見積もっていたと指摘。従来のコンピューターでも1万年ではなく2.5日で解ける問題だと主張した。

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