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マララ・ユスフザイさん、ヴォーグ誌の表紙を飾る

Courtesy Nick Knight/Vogue

パキスタンで女子教育の普及を訴え、反政府勢力タリバーンに銃撃された活動家のマララ・ユスフザイさん(23)が、ファッション誌ヴォーグ英国版7月号の表紙を飾る。

ユスフザイさんは最近、英オックスフォード大学を卒業してTVプロデューサーの道を歩み始めた。同誌に掲載された紹介記事で、自身の信仰やツイッター上での社会運動、「Apple TV +」との新たな提携について話している。

17歳で史上最年少のノーベル平和賞受賞者となったユスフザイさんは、スウェーデンのグレタ・トゥンベリさんや米国で銃規制を訴えるエマ・ゴンザレスさんら若い女性活動家たちとの親交にも言及し、「女の子が心の中に携える力を私は知っている」と語った。

記事にはミシェル・オバマ元米大統領夫人ら、ユスフザイさんを称賛する有名人からも言葉が寄せられた。オバマ夫人はユスフザイさんを「本当にたぐいまれな」存在と評し、米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)も「彼女ほどの人はほかにいないと思う」と語った。

インタビューに合わせて撮影されたマララ・ユスフザイさんの写真/Courtesy Nick Knight/Vogue
インタビューに合わせて撮影されたマララ・ユスフザイさんの写真/Courtesy Nick Knight/Vogue

表紙は写真家のニック・ナイト氏が撮影。ユスフザイさんはステラ・マッカートニーの真っ赤な服とスカーフをまとっている。南米ウルグアイのデザイナー、ガブリエラ・ハーストの赤いシャツドレスと麻のパンツに、対照的な青のスカーフを合わせた写真も掲載されている。

インタビューではスカーフを「私たちパシュトゥン人の文化の象徴」と呼んだ。ユスフザイさんが属するパシュトゥン人は、イスラム教スンニ派が大半を占める。

「私たちイスラム教徒やパシュトゥン人、パキスタン人の女の子が伝統的な服装を守ると、抑圧されて男性に支配された声なき存在とみなされる」「だれもが自分たちの文化の中で声を上げ、平等を手にすることができる。みんなにそれを伝えたい」とも話している。

ユスフザイさんはインスタグラムへの投稿で、同誌の表紙を飾ることに「感激し、恐縮している」と述べ、「表紙を見る女の子たちみんなに、自分の力で世界を変えられることを知ってほしい」と書き込んだ。

現在の生活

ユスフザイさんは長年、人権擁護と女子が教育を受ける権利を訴え、世界の注目を集めてきた。15歳の時タリバーンに頭を撃たれ、英バーミンガムのクイーン・エリザベス病院へ空路搬送されて一命を取り留めた後、非営利組織「マララ基金」を設立した。

昨年オックスフォード大学を卒業して政治学、哲学、経済学の学位を取得。最近、テレビ制作会社「エクストラカリキュラー」を立ち上げた。Apple TV +と数年間の契約を結び、これから女子教育や女性の権利に関するドキュメンタリーやコメディー、アニメ、子ども向けシリーズなどの番組を放送していく。

マララ・ユスフザイさんが表紙を飾ったヴォーグ誌/Courtesy Nick Knight/Vogue
マララ・ユスフザイさんが表紙を飾ったヴォーグ誌/Courtesy Nick Knight/Vogue

同誌とのインタビューでは社会運動や政治についても意見を述べた。「私たちは今、活動とツイートを結びつけて考えるようになっているが、これは変える必要がある。ツイッターは完全に別の世界だから」と話す。

英国での学生生活については「ようやく自分の時間ができた」と語り、マクドナルドでの食事から友人たちとのポーカーまで「文字通りあらゆることに胸を躍らせた」と振り返った。一方で課題の論文を締め切り前夜まで残していたと明かし、「論文危機の女王」と書かれている。

「1分1秒が楽しかった。それまでは世界が狭くて、同年代の仲間と行動をともにすることもなかった。(タリバーンに命を奪われそうになった)あの事件から立ち直り、世界中を駆け回って、本を出したりドキュメンタリーをつくったりと、本当に忙しかったから」と話している。

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