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米歌手グウェン・ステファニー、「私は日本人」発言で批判の的に

ファッションの祭典「METガラ」の会場に到着したグウェン・ステファニー=2022年5月2日、米ニューヨーク市のメトロポリタン美術館

ファッションの祭典「METガラ」の会場に到着したグウェン・ステファニー=2022年5月2日、米ニューヨーク市のメトロポリタン美術館/James Devaney/GC Images/Getty Images

ミュージックスターのグウェン・ステファニーが、日本への親近感について雑誌「アルーア」のインタビューで発言した内容をめぐり批判の的になっている。ステファニーは自身の美容ブランドGXVEを宣伝していた。

10日に公開された記事の中でステファニー(53)は、自身が日本から受けた影響について熱心に語り、ジェサ・マリー・カラオール記者を相手に日本を訪れた時のことを回想しながら「マイゴッド、私は日本人で、そのことを知らなかった」と発言した。

この発言が飛び出したのは、ステファニーが過去のコスメ製品プロジェクト、具体的には2008年の香水コレクション「原宿ラバーズ」について尋ねられたときだった。原宿ラバーズはステファニーのソロアルバム「ラヴ.エンジェル.ミュージック.ベイビー」に合わせてリリースされ、香水とレコードの両方の宣伝やイメージにカラフルな日本のポップカルチャーを借用していた。

00年代初め、ステファニーがレッドカーペットに登場するときは、いつも日本人バックダンサーのマヤ・チノ(ニックネーム「ラヴ」)、ジェニファー・キタ(同「エンジェル」)、リノ・ナカソネ(同「ミュージック」)、マユコ・キタヤマ(同「ベイビー」)の4人を伴っていた。

2004年アメリカン・ミュージック・アワードでのステファニーと日本のバックダンサー/Jon Kopaloff/FilmMagic/Getty Images
2004年アメリカン・ミュージック・アワードでのステファニーと日本のバックダンサー/Jon Kopaloff/FilmMagic/Getty Images

ステファニーはここ数年、00年代に日本文化を流用したとみなされて批判の的になっている。フィリピン系米国人のカラオール記者はステファニーに対し、自身のキャリアでこの期間から何か学んだことがあったかどうか尋ねた。これに答えてステファニーは、父親が日本に定期的に出張していたと話し、帰宅した父から聞いた話に「魅了された」と説明。初めて東京の原宿を訪れた際に、自分は日本人だと思ったとカラオール記者に語った。その後自身を、この文化の「スーパーファン」と形容している。

「自分が美しい物のファンであること、そしてそれを共有したことを理由に私が批判されるのであれば、それは正しいこととは思えない」。ステファニーは原宿時代の自分についてそう反論した。「あれは創造性の美しい時代だったと思う。原宿文化とアメリカ文化のピンポン対戦の時代だった」「もし私たちが自分の文化を売り買いしたり交換したりしなければ、これほどの美しさはなかったでしょう?」

CNNは、今回の記事やSNSでの反応についてステファニーの代理人にコメントを求めたが、すぐには返答はなかった。

カラオール記者は、ステファニーのコメント、特に、米国内のアジア・太平洋諸島系米国人(AAPI)住民に対する人種差別が増加しているという「厳しい」背景に対し、不快感を示した。「このにぎやかで創造的なコミュニティーの一員だと主張しながら、物語の痛みや恐怖を伴う部分を避けられる人をうらやましく思う」とカラオール記者は記している。

SNSに書き込まれたステファニーのインタビューに対する否定的な反応は、当惑から憤りまで多岐にわたった。「グウェン・ステファニーの広報担当者は今日はきっと忙しいに違いない」。米国人作家のロクサーヌ・ゲイ氏は皮肉交じりにそうツイート。ザ・カットのオリビア・トリュフォーウォン記者は、ステファニーについて「自分が金持ちになるための小道具としてアジア女性を利用している」と非難した。

アルーアによると、このインタビューの翌日に取材に応じたステファニーのチームは、カラオール記者がステファニーの言おうとしたことを「誤解した」という主張を崩さなかった。ただ。追加インタビューの求めに対して反応はなく、問題のコメントについてはっきりさせるための正式な説明もなかったとしている。

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