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映画「市民ケーン」に登場する「バラのつぼみ」のそり、22億円で落札

名作「市民ケーン」で物語の鍵を握る「バラのつぼみ」を描いたそりが22億円で落札

名作「市民ケーン」で物語の鍵を握る「バラのつぼみ」を描いたそりが22億円で落札/Michael Buckner/Variety/Getty Images

(CNN) オーソン・ウェルズの監督・主演で知られる1941年の名作映画「市民ケーン」で、物語の中核的な存在として登場した「バラのつぼみ」の木製そりが競売にかけられ、1475万ドル(約22億円)で落札された。

ダラスに拠点を置くオークションハウス、ヘリテージ・オークションズは16日に発表した声明で、この「象徴的な小道具」に対する「並外れた」価格だと述べた。

同社によるとこのそりは、競売前に科学的な検査を受け、本物であることが確認されている。

声明では、「オリジナルの塗装や摩耗、そして戦時中のスクラップ回収で失われたと思われる取り外されたレールなど、制作時の使用を示唆する痕跡が残る」と付け加えている。

「市民ケーン」は、ウェルズ自身が演じるメディア王チャールズ・フォスター・ケーンの物語と、彼が死に際に口にした言葉「バラのつぼみ」の意味を解き明かそうとする記者の探索の経緯を描いた作品。

「赤い塗料、型紙で写し取られた文字、そして紛れもないオーラを放つこのそりは、ケーンの失われた純真さの象徴であり、映画史上最も長く語り継がれる謎の一つを体現している」とヘリテージ・オークションズは述べた。

同作に使用された数台のそりのうち、現存するのは3台のみとされている。

ヘリテージ・オークションズによると、他のそりは82年にスティーブン・スピルバーグ監督に6万500ドルで、96年に匿名の購入者に23万3000ドルでそれぞれ売却された。

今回競売にかけられたそりは、84年から映画監督のジョー・ダンテ氏が所有していた。紛失したと思われていたが、同氏は現場で撮影中にこれを「偶然発見」。ひっそりと保管し、自身の映画にも何度か登場させた。

「グレムリン」や「インナースペース」などの作品を手がけたダンテ氏は声明で、「何十年にもわたり、この映画史に残る一品を守ってこられて光栄だった」述べている。

ヘリテージ・オークションズが今回主催する競売には、セシル・B・デミル監督の聖書を題材にした叙事詩「十戒」に登場する花崗岩(かこうがん)の石板や、「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」で主人公のインディ・ジョーンズが操る牛追い鞭(むち)なども出品されている。

ジョー・マッダレーナ副社長は、同社がこれまで開催した中で「最も重要な」イベントだと強調。声明で「これらは単なる小道具ではなく神話的な品々であり、ハリウッドの最高の瞬間を今に伝える。一つ一つが映画の思い出や劇中のパフォーマンス、作品が残した伝説と結びついている」と語った。

原文タイトル:Famous ‘Rosebud’ sled from ‘Citizen Kane’ sells for $14.75 million(抄訳)

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