Arts

バンクシーの細断された絵画、28億円超で落札 同氏作品で最高額

28億円超で落札された作品「Love is in the Bin(愛はごみ箱の中に)」

28億円超で落札された作品「Love is in the Bin(愛はごみ箱の中に)」/Courtesy of Sotheby's

3年前にオークション会場で部分的に「自壊」したバンクシーの絵画が再び競売にかけられ、驚異的な1850万ポンド(約28億8000万円)で落札された。

作品「Love is in the Bin(愛はごみ箱の中に)」の競売は14日夜、ロンドンで開かれたサザビーズの現代芸術のオークションで行われ、1年前に落札された「Game Changer(ゲームチェンジャー)」の金額を上回りバンクシー作品史上最高額となった。Game Changerは医療従事者をスーパーヒーローとして描いたもので、英国の病院に寄付する目的で1670万ポンドで落札されていた。

Love is in the Binの以前の作品名は「Girl with the Balloon(風船と少女)」。事前の予想では600万ポンドと、前回落札金額の100万ポンドを6倍上回るとみられていた。作品の額縁には前回の落札後に絵画を自ら破壊する機構が仕込まれていて、作品は額縁に半分細断されたままの状態で残っている。バンクシーは後日、シュレッダーの動作不良が原因で作品を完全に細断できなかったと示唆した。

  
      
バンクシー絵画、落札直後に「自滅」

美術史家で作家、アートフルの共同創設者であるマシュー・イスラエル氏は、Eメールによるインタビューの中で、「このようなことが起きたのは初めてだったので、重大な出来事であった」と述べている。作品が自壊するというアイデアについては、「作品の状態が最も重要であり、作品に関する知識や専門性がその権威や価値の中核をなすというサザビーズの本旨とは全く相反するものだった」と付け加えた。

14日の競売の売り手の身元は明らかにされていないが、サザビーズは欧州の女性の収集家で長年の顧客と説明している。新たな買い手は暗号通貨で支払うこともできる。

Love is in the Binは2018年のオークションから数カ月後、ドイツのバーデンバーデンにあるフリーダー・ブルダ美術館で初めて公に展示された。競売前にはロンドン、香港、台北、ニューヨークでも展示されていた。

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