人類最古の線画?、7.3万年前に描かれた模様と研究者 南ア

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赤い線で「#」のような模様が描かれているという石の薄片/Craig Foster

赤い線で「#」のような模様が描かれているという石の薄片/Craig Foster

(CNN) 南アフリカの洞窟で見つかった石の薄片に描かれた赤い線による模様について、7万3000年前のものとみられることがこのほど明らかになった。人類が描いた最も古い線画の可能性があるとして、12日の英科学誌ネイチャーに詳細が発表された。

問題の線画は、珪質(けいしつ)れき岩の薄片の表面に赤色で描かれている。縦方向や横方向に複数の直線が走り、ツイッターのハッシュタグの記号「#」のようにも見える。

線画の年代はこれまでアフリカや欧州、東南アジアで見つかった同様のものを3万年さかのぼる。研究者らにとっては、初期人類に対する認識の変化につながる発見といえそうだ。

薄片が見つかった洞窟では1991年から発掘が始まっており、その後も7万~10万年前を起源とする石器などの遺物が見つかっていた。

研究者らが今回の線画を分析したところ、赤い色は天然の黄土によるものであることが分かった。薄片の表面はなめらかで、当初は砥石(といし)の一部として使われていた可能性があるという。先端を1~3ミリにとがらせた道具で線を描いたとみられる。

貝殻や岩、骨などに何かを彫る形での芸術表現については、より古い年代のものが発見されている。しかし線描という手法で抽象的、象徴的な模様を描いたケースは、通常はるかに時代を下らなければみられない。今回の研究は、アフリカ南部の初期人類が、あらゆる物質の表面に様々な手法で模様を作り出していた可能性を示唆している。

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