米海軍の強襲揚陸艦火災、太平洋艦隊に数年にわたって影響か

米強襲揚陸艦炎上、被害の全容

香港(CNN) 強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」が米カリフォルニア州サンディエゴの海軍基地に停泊中に起こした火災の鎮火には4日間かかった。しかし、太平洋艦隊に対する影響は数年にわたって続くかもしれない。

ボノム・リシャールは保守整備と改修のためサンディエゴに入港していた。火災時の温度は約650度に達し、アルミニウムは溶け、配線やプラスチック、可燃性のものが炎に包まれた。

実際の損傷の度合いはまだ不透明だ。当局者によれば、内部の熱が下がったら技師が中に入って損傷の度合いを確認する必要があるという。

いずれにしても、長期的な影響は大きい。ボノム・リシャールは小型の空母のようなもので、米軍の最新鋭機である海兵隊用のF35B戦闘機が収容できるよう改修が行われていた。

F35Bが扱える戦艦は4隻しかないとされ、このことからもボノム・リシャールの不在は影響を及ぼしそうだ。

サンディエゴの海軍基地で火災に見舞われる「ボノム・リシャール」/MC2 Austin Haist/US Navy
サンディエゴの海軍基地で火災に見舞われる「ボノム・リシャール」/MC2 Austin Haist/US Navy

CNNの軍事アナリストで海軍元将校でもあるジョン・カービー氏は「南シナ海での中国や北朝鮮との間で緊張が高まるなか、ボノム・リシャールとその能力を失うことで、海軍は全ての戦闘要件に対応することがより難しくなるだろう」と述べた。

シンクタンク「ランド研究所」のティモシー・ヒース氏は、F35を継続してインド太平洋地域で展開することは米軍の科学技術が中国といったライバルよりも上回っていることを目に見える形で提示することにつながるとの見方を示す。

現在、ボノム・リシャールの穴は強襲揚陸艦「アメリカ」が埋めている。また、強襲揚陸艦「トリポリ」も就役した。それでも、あらゆる艦の不在は打撃だ。

上空から消火活動を行う米海軍のヘリコプター/MC3 Garrett LaBarge/Digital/Commander, Naval Surface Force, U.S. Pacific Fleet
上空から消火活動を行う米海軍のヘリコプター/MC3 Garrett LaBarge/Digital/Commander, Naval Surface Force, U.S. Pacific Fleet

米太平洋軍統合情報センターの元責任者カール・シュスター氏は「艦船が予期せぬ形で軍務から外れると常に追加の影響が出る」と指摘。ボノム・リシャールは今秋に任務に戻る予定で、これを受けて別の艦船が必要な保守点検や改修を行うはずだったが、これができなくなったため、必要な保守点検や改修が遅れて能力の格差が拡大するだろうと述べた。

こうしたことがさらに影響を及ぼす可能性が高そうだ。ヒース氏によれば、米軍の軍事作戦が削減され、海軍のプレゼンスにギャップが生まれるかもしれず、そうなると中国といった国々が高圧的な措置を取ろうとしてますますつけあがるかもしれないという。

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