IUCNレッドリスト更新、ハムスターやクジラに絶滅の危機迫る

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オーストリアの牧草地にたたずむヨーロッパハムスター/Alamy

オーストリアの牧草地にたたずむヨーロッパハムスター/Alamy

(CNN) 国際自然保護連合(IUCN)は9日、絶滅の恐れがある野生生物を分類した「レッドリスト」の更新版を公開した。同リストに掲載された12万種のうち、絶滅が危惧されるのは約3万2000種。ヨーロッパハムスターやタイセイヨウセミクジラ、およびマダガスカル島に生息する複数種のキツネザルなどが、新たに野生絶滅1歩手前の「CR(絶滅危惧IA類)」に分類された。

小笠原島に生息するオガサワラアブラコウモリなどは絶滅種に分類された。ただし、新しい情報が入ったり、過去の情報が不正確だったことが判明したりすれば、分類の変更もあり得る。

米フロリダ沖で漁網に絡まりながら泳ぐタイセイヨウセミクジラ/NOAA/Alamy
米フロリダ沖で漁網に絡まりながら泳ぐタイセイヨウセミクジラ/NOAA/Alamy

IUCNによると、ヨーロッパハムスターは「状況が変わらなければ」、30年以内に絶滅する見通し。1回に生まれる子どもの数は20匹から5~6匹程度に減少し、フランスの一部やドイツ、東欧からは消滅した。2016年のリストでは、ヨーロッパハムスターは、レッドリスト最下層の絶滅の危険が最も低い種に分類されていた。

タイセイヨウセミクジラは、成体の個体数が250頭を切った。専門家は、気候変動に関連した海水温度上昇の影響で餌が減った可能性を指摘する。船と衝突したり、漁網に絡まったり、恐らくはストレスの影響で繁殖率が減少したり、餌が捕りにくくなったりした影響で、個体数は2011年以来、約15%減少している。

マダガスカル島にすむ世界最小の霊長類、マダムベルテネズミキツネザル/Nature Picture Library/Alamy
マダガスカル島にすむ世界最小の霊長類、マダムベルテネズミキツネザル/Nature Picture Library/Alamy

キツネザルは107種がマダガスカル島に生息しているが、103種は絶滅の恐れがあり、うち33種はCRに分類されている。中でも世界最小の霊長類で体長わずか9センチ前後のマダムベルテネズミキツネザルは、耕作や焼き畑による森林の減少により、絶滅の恐れが強まっているという。

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