欧州代表チームの主将ら、性的少数者支持の腕章着用せず カタールW杯

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9月にイタリアで行われた試合で「ワンラブ」の腕章を着用するイングランド代表のハリー・ケイン主将/Nick Potts/PA Images/Getty Images

9月にイタリアで行われた試合で「ワンラブ」の腕章を着用するイングランド代表のハリー・ケイン主将/Nick Potts/PA Images/Getty Images

(CNN) サッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会に出場する欧州の複数の代表チームの主将が、LGBTなど性的少数者の権利を訴える腕章を着用しない見通しとなった。着用を理由にイエローカードを出される恐れがあるためだとしている。

イングランド、オランダ、ベルギー、デンマーク、ドイツ、スイス、ウェールズの各代表は、包摂性の促進と差別への反対を訴える「ワンラブ」と呼ばれるキャンペーンに参加する予定だった。

しかし各国のサッカー協会は21日、共同声明を発表し、キャンペーンへの参加を示す腕章がカタール大会で着用されることはないと述べた。腕章は異なる色の縞(しま)模様でハートを描いたデザイン。それぞれの色で様々な人々の立場や素性・経歴、性自認などを表す。

声明によると、各国の主将が腕章を着用してプレーした場合、国際サッカー連盟(FIFA)は競技上の制裁措置を科すことを明言している。協会側としては、代表選手たちをイエローカード提示や退場といった制裁も受けかねない状況に置くことはできないと判断。主将らに対し、W杯の試合では腕章を着用しないよう求めたとした。

腕章を着用しないとの決定が下ったのは、イングランドの大会初戦が始まる数時間前だった。同日にはオランダとウェールズの初戦も組まれていた。

各国は、主将が腕章を着用すれば制裁を科すとしたFIFAの判断を「前代未聞」と指摘。決定に対する不満を表明した。

またFIFAには9月に書簡を送り、腕章の着用を希望することを伝えていたと主張。その時には何の返答もなかったとした。また選手や監督は現状に失望しているものの、他の方法で包摂性への支持を表明するだろうと付け加えた。

各国代表の監督や選手からは、FIFAによるはっきりした見解の表明が遅れたことや、世界の差別と闘う取り組みが止められたことに対する不満の声が上がった。

同性愛を違法とするカタールには、性的少数者の権利を擁護する団体などから批判が寄せられている。

カタール側は上記の腕章を巡る動きについて、FIFAと各国代表との間の問題と指摘。性的指向にかかわらず「全ての人を歓迎する」という従来の意向を繰り返した。

一方、欧州各国の発表に先駆け、FIFAは自分たちの公認する差別反対のキャンペーンについて発表。出場する32カ国すべての主将は、このキャンペーンに関連する腕章を着用できると明らかにした。

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