日本の「スーパーファン」、五輪無観客開催の悲しみ語る チケット4万ドル近く購入

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2012年のロンドン五輪でホッケーの試合会場を訪れた時の滝島さん/Kazunori Takishima

2012年のロンドン五輪でホッケーの試合会場を訪れた時の滝島さん/Kazunori Takishima

(CNN) 滝島一統(たきしま・かずのり)さん(45)は世界を旅して、日本に声援を送ってきた。この15年間に行われた五輪の全大会で現地観戦を果たしている。そんな滝島さんにとって、地元東京で五輪を観戦するのは夢だった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を理由とする無観客での開催が先ごろ発表され、その夢は潰(つい)えた。

滝島さんは4万ドル近くを支払い、計197枚の五輪チケットを自分と友人らのために購入していた。23日に開幕する東京五輪の期間中、可能な限り多くの競技会場へと乗り込むためだった。

チケット購入には信じられないほどの時間と労力、情熱が必要だったと、滝島さんはCNNに語った。ただ自身の五輪にかける思いが非常に強いため、極めて困難な作業だったにもかかわらず、楽しんで購入手続きを進められたという。

不動産業を営む滝島さん。もしチケットを取ったすべての競技を観戦したなら、五輪競技の観戦回数でギネスの世界記録を更新するはずだった。ただ実際には、購入したチケットの払い戻しをこれから受けることになる。

今は悲しみしかなく、手元にあるチケットを見ては泣いているという。

滝島さんの五輪愛に火が付いたのは2005年。フィギュアスケートの大会を初めて見たのがきっかけだった。その直後に翌年イタリアで開催されるトリノ冬季五輪のチケットを購入。完全にはまったという。

同大会ではそれほど期待を抱いていなかったものの、荒川静香選手が金メダルを獲得して大変な感銘を受けたと振り返る滝島さん。それ以来、五輪を現地観戦するようになった。

すべての選手が見せる活力と情熱に魅了され、ここまで観戦を続けている。

メダルを取った選手の流すうれし涙や、敗れた選手の悔し涙を見ると、自分ももっと頑張ろうという気持ちになると、滝島さんは話す。観戦のたびに、そうした勇気と感動をもらっているという。

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