強制収容された日系米国人の作品、抗議受け米イーベイの競売中止

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米カリフォルニア州マンザナー国定史跡では日系米国人強制収容所のバラックが復元されている/Justin Sullivan/Getty Images

米カリフォルニア州マンザナー国定史跡では日系米国人強制収容所のバラックが復元されている/Justin Sullivan/Getty Images

(CNN) 空に浮かぶ明るい球体をバックに描かれた松の木や山々。漫画のような葉が触手状に広がる様子。雲の前にそびえ立つ石灰岩の柱。白黒のスケッチ画20枚は一見、自然の風景を描いた他意のない作品に見える。

しかしいずれも第2次世界大戦中、米カリフォルニア州にあったマンザナー強制収容所に収容された日系米国人画家の作品だったと思われる。

この作品が米通販サイト大手のイーベイで売り出されていることを知った日系米国人団体は、オークションの中止を求める運動に乗り出した。

全米日系人博物館のリック・ノグチさんは、「日系米国人の歴史、中でも西海岸の住民12万人を強制排除して収容した人種差別的政策の傷痕にまつわる歴史が売られたり、利益目的で利用されたりすることがあってはならない」と訴える。

イーベイは日系米国人活動家との会談を経て今月6日、このオークションが芸術作品の販売に関する同社のポリシーに違反すると判断して、終了直前にオークション中止を決めた。この時点で入札価格は470ドル(約5万円)に達していた。

今回のオークションを中止させた日系米国人団体は、日系米国人の悲劇や苦しみから生まれた第2次世界大戦中の芸術作品が売買されることのないように徹底させたい考えだ。

マンザナー強制収容所に収容された日系米国人の作品のオークションが中止されたのは今回が初めてではない。

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