ハッピー・バースデーの歌、ワーナーの著作権認めず 米判決
ニューヨーク(CNNMoney) 120年前から歌われている誕生祝いの定番ソング「ハッピー・バースデー」の著作権を巡って争われていた裁判で、米連邦裁判所は22日、音楽出版大手のワーナー・チャペル・ミュージックによる著作権の主張を退ける判決を言い渡した。
裁判によると、ハッピー・バースデーの歌は1893年までにミルドレッド・ヒル、パティ・ヒルの姉妹が制作。姉妹から著作権を託されたクレイトン・サミーの会社を98年にワーナー・ミュージック・グループが買収した。以来、同社はこの歌に対する著作権を主張して、ワーナー・チャペル・ミュージックを通じて年間200万ドルを超す著作権収入を得てきた。
これに対し、ハッピー・バースデーの歌を使用して1500ドル(約18万円)の違約金を請求されたグッドモーニング・トゥ・ユー・プロダクションがワーナーを提訴。ワーナー側が著作権を主張できるのは、この歌そのものではなく、ピアノを使った特定の編曲に限られると主張していた。
22日の判決で、ジョージ・キング裁判官は原告側の主張を認め、「サミー社はハッピー・バースデーの歌詞についての権利は取得しなかった。従ってサミー社の権利を引き継いだ被告には、ハッピー・バースデーの歌詞に対する有効な著作権はない」と認定した。
今回の判決ではハリウッドの大手映画会社が最も恩恵を受けることになりそうだ。映画会社はこれまで、裁判で争いになることを避けるためにワーナー側に著作権料を支払っていた。