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新型コロナの死亡率、韓国で低くイタリアで高い理由は

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感染拡大に見舞われた韓国だが、ウイルスによる死亡率は低い水準にとどまっている/Chung Sung-Jun/Getty Images AsiaPac/Getty Images

感染拡大に見舞われた韓国だが、ウイルスによる死亡率は低い水準にとどまっている/Chung Sung-Jun/Getty Images AsiaPac/Getty Images

(CNN) 新型コロナウイルスの感染拡大が一段と深刻化する中、米国内では感染の有無を確かめるための検査態勢の強化に大きな関心が集まっている。

検査は感染リスクの効果的な低減につながるとされているが、現在多くの専門家は、より広範な検査と最大の懸念事項となっている統計データとの関連付けにも着手している。そのデータとは、新型コロナウイルスに感染した際の生存率だ。

検査と生存率には明確な関連があるように見える。感染拡大が深刻な2つの国を考えてみよう。

韓国では、検査の行われている割合がかなり高い一方(今月8日時点での検査回数は国民100万人あたり3692回)、感染した人の死亡率は相当低い(本稿執筆時で約0.6%)。

これに対しイタリアの検査規模は、人口100万人あたり約826人だが、感染と診断された人の死亡率は韓国のおよそ10倍。世界保健機関(WHO)のデータによると、これまで2000人を超える人が亡くなっている。

なお米国では、体調を崩した人が病院などへ行っても検査を受けさせてもらえずに帰されるという話を耳にする。検査できる態勢が整っていないことや、患者の側が検査対象となる基準を満たしていないことが理由だが、これを受けて、検査不足により国民全員が死に至るといったコメントが多く寄せられる事態となっている。

しかし、はっきりさせておくべきなのは、検査で命が救えるのはあくまでもそれによって次の感染の予防が可能になるからだという点だ。医師が個々の患者を早期に把握できるからではない。いわゆる「早期治療」がメリットを発揮するのは、疾病に対する効果的な薬が存在する場合である。たとえば敗血症にかかったのなら、早めに抗生物質を投与しなくてはならない。手遅れになれば、患者は死亡する。

ただ新型コロナウイルスについては、特定の治療法が存在しない。実際のところ、新型コロナウイルスで感染者が死に至るのは急速に進行する肺不全といった症候群が原因とみられており、これは一般的な臨床症状といえる。多くの感染症が同じ問題を引き起こし得る。集中治療室(ICU)で勤務する医療の専門家は、数年がかりでその治療にあたっている。

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