17年間昇給なし? 英国経済、EU離脱で長期低迷の予想

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EU離脱が一因となり、英国が長期の賃金低迷に見舞われるとの予測が出ている

EU離脱が一因となり、英国が長期の賃金低迷に見舞われるとの予測が出ている

ロンドン(CNNMoney)  英国は欧州連合(EU)離脱に伴って景気が低迷し、実質的な賃上げは20年近く見込めない――。独立系の有力シンクタンクがこのほど、そんな報告書をまとめた。

ハモンド英財務相はこの前日の22日、EU離脱を一因とする経済成長見通しの引き下げを発表し、英国は世界の5大経済大国から脱落したと指摘していた。

有力シンクタンクのレゾリューション財団は、インフレ調整後の平均収入について、2025年までは世界金融危機前の水準を下回る状況が続くと予想した。つまり賃上げを見込めない状況が17年間続くことになる。

英国の大手独立系経済研究所IFSも同様の予想を発表している。

英予算責任局(OBR)は22日、今年の成長見通しを2%から1.5%に引き下げた。生産力の低迷で2021年まで成長は見込めないと予想、EU離脱を一因として挙げている。

レゾリューション財団は、1950年代に統計を取り始めて以来、最も長期にわたって生活水準の低下が続くと予想。OBRの予測をもとに、実質賃金は2022年の時点でも、世界金融危機前につけたピーク時の水準を1000ポンド下回っているとの見通しを示した。

IFSの予測でも、2021年の1人当たりの経済生産は、2016年3月時点での予想を3.5%下回る見通し。「経済にとっては650億ポンドの損失になる」「10年どころか20年にわたって収入の伸びが失われる危険がある」。IFSはそう警告する。

英国は2019年3月にEUを離脱する。英国経済は最近まで、欧州経済圏の中でも特に堅調だった。しかし今後は何年にもわたり、米国やEUの経済先進国に遅れを取る状況が続きそうだ。

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