夏の北極圏、2030年代に海氷消失か 新研究が警告

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北極圏のノルウェー領スバールバル諸島の海氷=4月6日/Lisi Niesner/Reuters

北極圏のノルウェー領スバールバル諸島の海氷=4月6日/Lisi Niesner/Reuters

(CNN) 夏の北極圏から海氷が消えるようになる状況が、従来の予測よりも約10年早く実現する可能性がある。科学者がそのような警告を発している。世界が温室効果ガスを排出し続ける中、気候危機が予想以上の速さで起きていることの明確な兆候が新たに示された形だ。

今回の研究は、6日刊行のネイチャー・コミュニケーションズ誌に掲載された。それによると北極圏の海氷は、早ければ2030年代にも9月中は完全に消失する可能性がある。仮に世界が現時点で温室効果ガスを大幅に削減したとしても、北極圏の海氷は50年代までには夏の間消失する恐れがあると、科学者らは報告した。

研究では1979年から2019年までの海氷の変化を分析。異なる衛星データや気候モデルを比較した。

その結果、海氷の減退は大半が人間由来の温暖化に起因することが分かった。また以前の気候モデルでは、北極圏の海氷の融解傾向を過小評価していたという。

研究論文の筆頭著者を務めた韓国・浦項工科大学校のミン・スンキ教授はCNNの取材に答え、分析結果への驚きを表明。排出削減の取り組みと関係なく、夏になれば北極圏から海氷が消えることになるとの結果は想定していなかったと述べた。

北極圏の海氷は冬の間形成され、夏に融解する。通常海氷が最も少ない水準に達するのは9月で、その後はまた形成と融解を繰り返す。

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