系外惑星の大気中に二酸化炭素、明確な証拠を初検出 ウェッブ望遠鏡

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太陽系外惑星「WASP―39b」のイメージ図/NASA, ESA, CSA, and J. Olmsted (STScI)

太陽系外惑星「WASP―39b」のイメージ図/NASA, ESA, CSA, and J. Olmsted (STScI)

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、太陽系外惑星の大気中に二酸化炭素が存在する明確な証拠を初めて捉えたことが分かった。

NASAによると、この系外惑星は「WASP―39b」と呼ばれる高温の巨大ガス惑星で、地球から700光年離れた恒星を周回している。WASP―39bのような惑星の大気組成を理解することは、系外惑星の起源や成り立ちを知るうえで不可欠だという。

アリゾナ州立大学地球・宇宙探査学部のマイク・ライン准教授は声明で、「二酸化炭素分子を通じて惑星形成の物語を鮮明にたどることができる」と指摘した。ライン氏はウェッブ望遠鏡の観測データの早期提供を目指すチームの一員で、このチームが調査を実施した。

調査チームはウェッブ望遠鏡に搭載された観測装置4基のうちの一つ、「近赤外線分光器」を使ってWASP―39bの大気を観測し、二酸化炭素に関する発見にこぎ着けた。

チームリーダーを務めるカリフォルニア大サンタクルーズ校のナタリー・バタラ氏(天文学・天体物理学)によると、WASP―39bの大気スペクトルにおいて、4.1~4.6ミクロンの部分に小さな山が確認された。これは「二酸化炭素の存在を明確に示すシグナル」だという。

今回の発見は英科学誌ネイチャーに掲載される。

ライン氏は「今回の二酸化炭素を測定することで、この巨大ガス惑星の形成に使われた固体成分とガス成分の割合を決定できる」と説明。「ウェッブ望遠鏡は今後10年間、さまざまな惑星について同様の測定を行い、惑星の詳しい形成過程や太陽系の独自性について知見を提供してくれるだろう」と期待を示した。

ウェッブ望遠鏡は昨年12月25日、地球から150万キロ離れた現在の軌道に向けて打ち上げられた。他の宇宙望遠鏡よりも長い波長の光で宇宙を観察することで、時間の始まりなどをより詳しく調べることが可能になる。

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