豪州を「侵略」したウサギの大繁殖、英国から輸入の24匹が発端

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オーストラリアの野ウサギの集団/Brendan Beirne/Shutterstock

オーストラリアの野ウサギの集団/Brendan Beirne/Shutterstock

(CNN) 一見何の罪もないクリスマスプレゼントとして1859年、英国から持ち込まれた24匹のウサギ。それがオーストラリアに「最も壊滅的な生物学的侵略」をもたらしたとする研究が、米科学アカデミー紀要に発表された。

野ウサギはオーストラリアの在来種ではなく、侵略的外来種とみなされている。農家によると、ウサギはたちまち何倍にも増えて作物や耕作地を荒らし、土壌の大規模浸食などの環境問題を引き起こすことがある。

「生物学的侵略は、環境破壊や経済破壊の重大な原因になる」と研究チームは述べ、「欧州のウサギによるオーストラリアの植民地化は、史上最も象徴的かつ壊滅的な生物学的侵略のひとつだった」と位置付けた。

遺伝学的証拠をたどった結果、この侵略の発端は、トーマス・オースティンという名の入植者によって1859年に英国から輸入されたウサギだったことが分かった。オースティンは英イングランドの出身だった。

史料によると、オースティンはオーストラリアのメルボルンにある広大な敷地でウサギ24匹を飼い始めた。そのウサギがわずか3年で数千匹に増え、その後も繁殖し続けた。

論文の筆頭筆者でオックスフォード大学研究者のジョエル・オルベス氏は「ウサギはオーストラリア全土で何度も導入されていたものの、壊滅的な生物学的侵略の引き金になったのは、このイギリスのウサギの1集団だった。その影響は今に至るまで続いている」と解説する。

「その1回の出来事が、外来種の哺乳類による史上最速の植民地化という、とてつもない惨事をオーストラリアにもたらした」

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