宇宙船「クルードラゴン」、打ち上げ前にトイレを修理

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打ち上げ準備が整った「ファルコン9」ロケットと宇宙船「クルードラゴン」=ケネディー宇宙センター、9月15日/Paul Hennessy/Anadolu Agency/Getty Images

打ち上げ準備が整った「ファルコン9」ロケットと宇宙船「クルードラゴン」=ケネディー宇宙センター、9月15日/Paul Hennessy/Anadolu Agency/Getty Images

ニューヨーク(CNN Business) 米宇宙企業スペースXの宇宙船「クルードラゴン」が今週末に宇宙飛行士を乗せての打ち上げを控えているが、米航空宇宙局(NASA)はまず、重要な構成要素で発生した問題に対応するためにスペースXが行った変更について調査し、承認する必要がある。それは、トイレだ。

クルードラゴンは9月に4人を乗せて史上初めて民間人だけの観光を目的としたミッションを行ったが、このときにトイレの問題が発生していた。4人は宇宙空間で3日間過ごした。

船長役を務めたジャレッド・アイザックマンさんは先月、CNN Businessの取材に対し、トイレのファンに予期せぬ問題が発生して、警報音が鳴ったと語っていた。アイザックマンさんや他の乗員は地上の管制室と協力して、問題解決に当たらなければならなかった。

このときの故障が乗員に深刻な問題を引き起こすことはなく、体液がカプセル内に漏れることもなかったという。

しかし、スペースXは乗員が地上に戻ってきた後、宇宙船を分解して、故障が発生した可能性のあるものについて調査した。

NASAに勤務した経験を持ち、現在はスペースXでミッション保証部門の責任者を務めるウィリアム・ゲルステンマイヤーさんによれば、尿をためるためのタンクがあるが、チューブが外れるかはがれるかしたため、尿がタンクに行かずファンのシステムに行ってしまったという。

こうした状況は、必要な試験飛行をすべて行い、検査を受け、承認を受けても、完全なミッションでは予期せぬ設計上のリスクが存在することを証明している。

ファンは宇宙船のトイレで、吸引力を生み出し、尿の流れをコントロールするために使われている。微小重力状態だと排せつ物はあらゆる方向へと移動してしまうためだ。

同様の漏れの問題は、今年4月に打ち上げられたクルードラゴンのカプセルでも発生していた。このカプセルは今も国際宇宙ステーション(ISS)につながり、来月にはISSの飛行士の地球帰還に使われる。

スペースXはクルードラゴンのアルミニウムの構造が漏出した尿に耐え、尿に危険な腐食性がないことを確認する試験を地上で重ねている。

同社は次回のミッションでの再発防止に向けて、問題のチューブを既定の場所に溶接する修繕を考案した。現在はNASAの承認待ちだが、NASAやスペースXの関係者は、この問題を解消して今週末のミッションを実施できると自信を持っている。

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