ブラックホールを囲む不気味な光のリング、NASAが画像公開

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「光のエコー」で生まれたブラックホールを囲む複数のリング/CXC/U.Wisc-Madison/S. Heinz et al./Pan-STARRS/NASA

「光のエコー」で生まれたブラックホールを囲む複数のリング/CXC/U.Wisc-Madison/S. Heinz et al./Pan-STARRS/NASA

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)が、ブラックホールの周囲に不気味に浮かび上がる青白い光のリング(輪)の画像をこのほど公開した。

画像はX線観測衛星「チャンドラ」とガンマ線バースト観測衛星「ニール・ゲーレルス・スウィフト」が撮影したもの。X線画像以外でこうした光をとらえることはできない。

このブラックホールは、恒星1つとともに連星系を構成している。ブラックホールの重力により恒星からは物質が引き離され、その周辺にディスク(円盤)状に広がっている。

この連星系は「はくちょう座V404星」と呼ばれ、地球から約7800光年離れている。恒星の質量は太陽の半分ほどだ。

2004年に打ち上げられた上記の衛星スウィフトは、15年6月に連星系からのX線バーストを検知した。このバーストが作り出したエネルギーのリングが、今回のX線画像で視認できるようになった。

このようなリングができる現象は「光のエコー」と呼ばれる。連星系からのX線バーストが、地球との間の宇宙に散らばる塵(ちり)の雲に反射して起きる。

NASAが公開した画像は、チャンドラで観測したX線とハワイにある望遠鏡でとらえた周辺の星のデータを組み合わせたもの。

15年、チャンドラは7月11日と25日、スウィフトは6月30日から8月25日まで、それぞれ連星系を観測していた。

塵に反射してできたこれらの複数のリングは、はくちょう座V404星の中にあるブラックホールや地球から同連星系までの宇宙空間について、理解を深める助けとなり得る。

リングの直径が大きければ、そこにある塵の雲はそれだけ地球から近い距離に位置すると考えられる。

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