最古のサメ襲撃の犠牲者、日本で発見 3000年以上前

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津雲貝塚から発掘された成人男性の遺骨/Courtesy of the Laboratory of Physical Anthropology, Kyoto University

津雲貝塚から発掘された成人男性の遺骨/Courtesy of the Laboratory of Physical Anthropology, Kyoto University

(CNN) 英オックスフォード大学などの研究チームはこのほど、サメによる人間襲撃を示す最古の直接的な証拠を発見したとの論文を発表した。犠牲者は3000年以上前の男性で、790カ所あまりに傷を負っていた。

オックスフォード大の研究者は今回、瀬戸内海に近い津雲貝塚から発掘された成人男性の遺骨を調査していた際、サメ襲撃の証拠を発見。腕や脚、胸の前部、腹部に外傷が見られた。

研究者のJ・アリサ・ホワイト氏とリック・シュルティング氏は共同声明で「何が原因で少なくとも790カ所に深いギザギザの傷ができたのか分からず、最初は困惑した」と語る。

傷の一部は非常に深く鋭いV字状になっており、金属の道具でできる傷のようだったが、縄文文化の段階にあった当時の狩猟採集民は金属の道具を使用していなかった。陸上の肉食動物や腐肉食動物の歯跡も、傷痕と一致しなかった。

そこで「消去法を通じ、人間同士の紛争や、よく報告される捕食動物や腐肉食動物の可能性は排除」した。襲撃に関与したサメの種類はイタチザメかホホジロザメの可能性が高いとみている。

研究結果は23日付の考古学術誌「ジャーナル・オブ・アルケオロジカル・サイエンス・リポーツ」に発表された。

研究チームは放射性炭素年代測定による調査の結果、男性は今から3000年以上前の紀元前1370~1010年に死亡したと結論づけた。

さらに、傷を人体骨格の3Dモデルに投影して視覚化と分析を実施。傷の分布から、襲撃時には男性が生きていたとの見方に至った。左手はなくなっており、襲撃から身を守ろうとして負傷したことを示しているという。

シュルティング氏はCNNの取材に、「おそらく男性は瀬戸内海で仲間数人と漁をしていたのではないか」「縄文遺跡ではサメの歯が見つかる場合があり、サメ漁をしていた可能性も考えられる」との見方を示した。

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