米MIT、クモの巣を音楽に変換 クモに話しかけることも可能に?

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米MIT、クモの巣を音楽に変換

(CNN) 米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームがこのほど、クモの巣を音楽に変換して、不気味なサウンドトラックをつくり出した。クモが複雑な網を紡いだり意思疎通したりする方法を理解する助けになる可能性もある。

MITのチームは今回、ドイツ首都ベルリンを拠点にするアーティストと組み、クモの巣の2次元レーザースキャンを実施。スキャン画像を組み合わせ、3次元のバーチャル世界内でクモの巣を再構成できる数学モデルに変換した。さらにMITの音楽部門と協力の上、ハープのようなバーチャル楽器もつくり出した。

研究の成果は12日、米化学会のオンライン会合で発表された。

MITのマーカス・ビューラー教授(工学)は「クモの巣はごくランダムに見えるが、実際には多くの内部構造があって、視覚化して目で見ることができる。ただ、人間の想像力や脳でこうした構造の細部をすべて理解するのは非常に難しい」と語る。

バーチャルなクモの巣の中を動きながら音楽を聴くことで、こうした構造上の変化を耳で聞き取ることができ、クモが目にしている世界への理解が深まるという。

ビューラー氏は「クモは振動を鋭く感知する生き物で、体の向きを調整したり、他のクモと意思疎通したりするのに振動を活用する」と指摘。材料工学者としてクモを研究する同氏らにとって、クモのように思考してみるというアイデアはごく当たり前のものだったと振り返った。

  
      

同氏らは実験で、クモが巣づくりや求愛行動、他のクモと意思疎通を行う際に生み出す振動を記録。現在は人工知能を活用して合成音バージョンの作成に取り組んでいる。

「ひょっとすると、私たちはクモの言語を話せるようになりつつあるのかもしれない」「今後はクモと意思疎通する能力を高めるため、これらの音を巣に送り返すことができればと思っている。もしかしたら、特定のやり方で行動したり音に反応したりするよう、クモを誘導できるかもしれない」(ビューラー氏)

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