極細の人形が募らせる体形の不満、心の健康に影響も 英研究

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極細の人形で遊ぶ子どもは、より細い体を望む傾向があるという研究結果が発表された/goodbishop/Shutterstock

極細の人形で遊ぶ子どもは、より細い体を望む傾向があるという研究結果が発表された/goodbishop/Shutterstock

(CNN) 幼い女の子が超やせ形の人形で遊ぶと細くなりたいという願望が強まるという研究結果を、英国の研究者が発表した。そうした願望は体形に関する不満につながりかねず、心の健康状態にも影響が及ぶ可能性があると専門家は解説している。

調査を実施した英ダラム大学のリンダ・ブースロイド教授によると、女性の細さの理想の根源にあるのが極細の人形で、潜在的には女の子たちの長期的な体形に対する不満につながる可能性もある。そうした幼少時の体形に対する不満は青年期以降まで持続することもあり、体重増加や摂食障害の原因になりかねないと同教授は指摘する。

今回の調査では、5~9歳の30人にさまざまな体形の人形で遊んでもらった。被検者には事前にコンピューターの画像を使って体形に関する認識や理想とする体形について質問し、その後、極細の人形または現実的な子どもの体形の人形と遊んでもらった。

5分間人形で遊んだ後に、再度同じ質問に答えてもらったところ、極細の人形で遊んだ場合は自分の理想とする体格指数(BMI)が大幅に下がったのに対し、現実的な子どものような人形で遊んだ場合は大きな変化はなかった。

ブースロイド教授によると、人形の体形が体形に関する理想を変化させ得ることはこれまでの研究でも示されていた。今回の研究では、非現実的な女性の体形を描いた玩具で遊ぶことによって幼児が悪影響を受けている実態が、改められて裏付けられている。

今回の研究にかかわっていない米ラトガーズ大学のシャーロット・マーキー教授によれば、体形に関する不満は全般的な心の健康状態にも関係する。

中には極細の人形を子どもに一切与えない親もいて、マーキー教授自身も娘が幼い頃はバービー人形を禁止していたという。

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