寺院のサルは「知能犯」、貴重品奪い価値に見合った餌を要求

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バリ島の寺院のサルに「経済的意思決定プロセス」があることが報告された/Sergi Reboredo/VW Pics/Universal Images Group/Getty Images

バリ島の寺院のサルに「経済的意思決定プロセス」があることが報告された/Sergi Reboredo/VW Pics/Universal Images Group/Getty Images

(CNN) インドネシア・バリ島にあるウルワツ寺院のサルたちは、人間から奪ったバッグや帽子、サングラス、携帯電話などと引き換えに、「身代金」として相応の質や量の餌を出すよう被害者に要求する――。そんな研究結果が英科学誌ロイヤル・ソサエティに発表された。

それによると、同寺院のカニクイザルは成体の知能が高く、電子機器など観光客にとって最も価値が高い品目を見定めてひったくり、それに相応する価値があるとみなした食べ物を与えられなければ、奪った物品を手放さない。

この研究結果は、カナダのレスブリッジ大学とインドネシアのウダヤナ大学が発表した。観察したサルたちには「前例のない経済的意思決定プロセス」が認められたとしている。

観察の対象としたサルたちには、「特定の餌の見返りを要求するための象徴的道具」として物品を使う能力があることが判明。さらに、年齢や経験を積んだサルほど物々交換を成功させる能力が高いことも分かった。

「価値に基づく物品の保持と、亜成体(幼体と成体の間の発達時期)および成体のサルが拒んだり受け入れたりする餌の見返りの量や質との間には、明らかな行動的関連性」があったと研究チームは解説し、高齢のサルほど貴重品を優先して選ぶ傾向があったと報告している。

この論文は11日に発表された。サルの観察は2015~16年の273日以上にわたって実施され、19年にも追跡調査が行われた。

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