室温でダイヤ作成に成功、所要時間わずか数分 豪研究チーム

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ダイヤモンドの製造に使用する装置を手にするオーストラリア国立大学の研究員/Jamie Kidston/ANU

ダイヤモンドの製造に使用する装置を手にするオーストラリア国立大学の研究員/Jamie Kidston/ANU

(CNN) オーストラリア国立大などの研究チームは18日、室温環境でわずか数分間のうちにダイヤモンドを作成することに成功したと発表した。

宝石用原石は通常、地球の奥深くで数十億年にわたって炭素が圧縮され高温になることで生成される。これに対し、オーストラリアの研究チームは今回、膨大な圧力をかけてこのプロセスをわずか数分に加速。室温でダイヤを作れるようにした。

オーストラリア国立大とロイヤルメルボルン工科大学が主導する国際研究チームによると、実験ではアフリカゾウ640頭がバレエシューズのつま先に乗った状態に等しい圧力をかけることで、室温で2種類のダイヤを作ることに成功したという。

作成に成功した2種類のダイヤは構造的に異なる。ひとつは宝石として通常装着されるものに似たダイヤ、もうひとつは「ロンズデーライト」と呼ばれるタイプだ。ロンズデーライトは隕石(いんせき)の衝突地点で見つかり、大半のダイヤよりも硬度が高い。

合成ダイヤ自体は新しいものではなく、より安価かつ倫理的で環境に優しい石を見つける目的で、1940年代から実験室で作成されてきた。ただ、実験室で作られるダイヤは通常、炭素に高熱を浴びせて生み出される。

電子顕微鏡でみたサンプル。ロンズデーライトなどの鉱脈がつくられていることがわかる/RMIT
電子顕微鏡でみたサンプル。ロンズデーライトなどの鉱脈がつくられていることがわかる/RMIT

今回はこうしたダイヤを室温で作ることができ、研究者からは興奮の声が上がった。特に、硬度が高いロンズデーライトには、採掘現場で「超固体」と呼ばれる物質を切る技術に活用できる可能性もあることから、大きな期待が寄せられている。

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