火星にも環があった可能性、2つの衛星の分析から浮上 新研究

NASAの火星探査機の高解像度カメラでとらえた衛星ダイモス/NASA/JPL-Caltech/University of Arizona

NASAの火星探査機の高解像度カメラでとらえた衛星ダイモス/NASA/JPL-Caltech/University of Arizona

(CNN) 太陽系を構成する大型の惑星と同様に、火星にもかつて環があった可能性がある――。火星を周回する2つの衛星の分析から、こうした内容を提示する新たな研究が発表された。

火星の周りを回る衛星、フォボスとダイモスは、どちらも小惑星が火星の重力にひきつけられたものだと長く考えられてきた。しかしその軌道が火星のほぼ赤道面上にあることから、現在は両衛星が火星と同じ約45億年前に生まれた天体である可能性が示されている。

今回研究者らは2つのうち火星に近い軌道を周回するフォボスの動きに着目した。フォボスは太陽系の衛星の中で最も主星に近い衛星で、火星の地表からの距離はわずかに6000キロほど。今後火星の重力によってさらに近づき、最終的には破壊され、火星を囲む環になるとみられる。そうした現象が5000万年以内に起きると推計されている。

研究者らは、このような衛星の破壊のサイクルが過去にも繰り返されていたのではないかと考えた。米天文学会のバーチャル会合でこのほど発表された内容によると、フォボスは30億年前には現在の20倍の大きさを持ち、そこから破壊のサイクルを経ている可能性があるという。破壊が起こるたび、火星の周りには本来のフォボスだった物質による環が形成されていたと考えられる。

この状態からさらに別の衛星が形作られ、これが次の世代のフォボスとなる。この新たなフォボスには火星から遠ざかる力が働いており、フォボスの外側を回るダイモスの動きに影響を及ぼす。ダイモスの軌道は火星の赤道上から2度傾いているが、このずれはフォボスが火星から遠のく際の軌道共鳴の影響がもたらした変化だと説明できるという。

現在のフォボスについては、形成時期が約2億年前だとする見方も出ている。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年にフォボスへ探査機を送り、地表からサンプルを持ち帰る計画を進めている。実現すれば、フォボスの成り立ちについてより多くの知見が得られるかもしれない。

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