3600年前の人類も洗い物は嫌い? 古代の使い捨て容器、大英博物館で展示

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古代ギリシャの使い捨てカップが現代の紙コップと並べて展示される/The Trustees of the British Museum

古代ギリシャの使い捨てカップが現代の紙コップと並べて展示される/The Trustees of the British Museum

(CNN) ギリシャのクレタ島から出土した3600年前の使い捨てカップが、現代の使い捨てカップと並んで英ロンドンの大英博物館で展示される。

展示されるのは取っ手のない陶器のカップで、クレタ島で紀元前1700年~1600年ごろに栄えたミノア文明の遺跡から出土した。長い年月がたっているにもかかわらず、完全な原型をとどめている。

クレタ島の遺跡からは、ワインを入れるための器が何千個も出土しており、専門家はこうしたカップについて、1回限りの使い捨てだったと推測している。

「エリート層は盛大なパーティーやお祭りを開くことによって、自分たちの富と地位を誇示していた」。大英博物館の学芸員ジュリア・ファーリー氏はPAメディア通信社にそう解説している。「今と同じように大勢の人が集まっても、誰も洗い物をしたがらなかった」

ワインを注いで飲んだとみられるカップが、クレタ島の遺跡から数千個見つかっている/Trustees of the British Museum
ワインを注いで飲んだとみられるカップが、クレタ島の遺跡から数千個見つかっている/Trustees of the British Museum

大英博物館の展示では、使い捨てのはずが予想以上に長く持ちこたえた製品の一例として、1990年代に航空機内や空港で飲料の供給に使われていたワックスペーパー製のコップなども一緒に展示される。

「1回しか使わない使い捨てのカップが、現代の消費主義社会で発明されたものではなく、数千年にもさかのぼる歴史があることに、驚く人もいるかもしれない」とファーリー氏は言う。

「現代のプラスチックと同様に、当時の粘土は入手しやすく安価で簡単に形成できた。だがプラスチックと同様に、粘土は長年の間、そのままの形で地中に残る」(同氏)

包装容器や包装紙は埋め立てられて海洋汚染の原因となる。プラスチックやポリスチレンが自然分解するには何百年もの年月を要する。

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