月の裏側の秘密、中国の無人探査で解明に道 英科学誌

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中国の無人探査機「嫦娥(じょうが)4号」が着陸した月の裏側の画像/NAOC/CNSA

中国の無人探査機「嫦娥(じょうが)4号」が着陸した月の裏側の画像/NAOC/CNSA

(CNN) 今年1月に人類史上初となる月の裏側への着陸を果たした中国の無人探査機「嫦娥(じょうが)4号」。同機を通じて月面のサンプルを調査することで、月にまつわる最大級の謎の1つが解き明かされようとしている。15日刊行の英科学誌ネイチャーが伝えた。

現在研究者らが突き止めようとしているのは、月のマントルの成分だ。マントルは地殻と核の間にある層だが、隕石(いんせき)などの衝突で地殻が破壊されると地表に露出する。

今回、着陸後の嫦娥から降ろされた月面探査車「玉兎2号」は月の裏側で最も古く最も大きいクレーターとされる「南極エイトケン盆地」を調査。データとなるサンプルを回収した。

直径約2500キロのクレーターから得られたサンプルを分析したところ、かんらん石の痕跡が検出された。より深い部分のサンプルは、さらに多くのかんらん石を含んでいた。

従来の学説では、初期の月の表面を覆っていたマグマの海が冷えることで、玄武岩でできた地殻とより重い鉱物からなるマントルがそれぞれ形成されたとしている。今回のサンプルの分析をもとに、研究者らは月のマントルについて、かんらん石と輝石を同程度の割合で含んでいる可能性があるとの理論を展開している。

かんらん石と輝石は、地球のマントルの上部からも検出されている鉱物だ。

玉兎は引き続き新たなサンプルを集め、月の成り立ちやクレーターの起源を探る任務に従事する。研究者らは現在、これらのサンプルを地球に持ち帰ることができるかどうかについても検討している。

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