過去最も遠い星、ハッブル宇宙望遠鏡で観測 90億光年の彼方

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強い重力で増幅した90億光年先の星の光をハッブル宇宙望遠鏡がとらえた

強い重力で増幅した90億光年先の星の光をハッブル宇宙望遠鏡がとらえた

(CNN) 28年前に打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)のハッブル宇宙望遠鏡がこのほど、90億光年離れた星の観測に成功した。単体の星としては、これまで確認されたものの中で最も遠い距離にあるという。

当該の星は地球から90億光年離れた銀河にある青色の巨星。ギリシャ神話に登場する人物にちなみ「イカロス」と名付けられた。

イカロスは銀河団の中の天体として2014年に発見されたが、その後ハッブル宇宙望遠鏡で「重力レンズ効果」と呼ばれる現象を確認。単体の星と結論付けることが可能になったという。

重力レンズ効果とは、光が質量の大きい天体を横切る際に重力で曲げられたり増光したりする現象を指す。今回のケースでは地球から50億光年離れた銀河がイカロスの光を増幅させたことで単体の星として観測できたという。

観測を主導する米ミネソタ大学ツインシティー校のパトリック・ケリー助教は、現在地球に届くイカロスの光は非常に若い時のもので、実際にはすでにその活動を終える段階にある公算が大きいと指摘。今後の観測情報を基に、イカロスの進化の過程について希少かつ詳細な知見が得られるとの期待を示した。

イカロスの前を横切る物体を調べることで、当該の銀河についてもあらゆる分析が行える見通しだという。

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