スペースX、衛星打ち上げ成功も先端部回収に失敗

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スペースXのイーロン・マスクCEO

スペースXのイーロン・マスクCEO

ニューヨーク(CNNMoney) 米宇宙開発企業スペースXは30日、ロケット「ファルコン9」の打ち上げを行った。人工衛星10基の軌道投入は成功したが、「フェアリング」と呼ばれる先端部を巨大な洋上ネットで受け止める計画は失敗した。

イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はツイッターで、フェアリングは高速で海面に衝突したと明らかにした。これにより同部位は大破したとみられる。

地球への落下時に開く予定だったパラフォイルが絡まったという。パラフォイルで降下速度を落とす予定だった。

打ち上げはカリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地で太平洋時間同日午前7時過ぎに行われた。最初のミッションは支障なく進行し、通信衛星10基をファルコン9で軌道投入することに成功した。

スペースXはロケットの価格引き下げを目的にブースターを着水させ再利用していることで知られる。ただ今回は珍しく、打ち上げ後にフェアリングの回収を目指す取り組みを明らかにしていた。

フェアリングはロケットの先端部に設置され、打ち上げ中の人工衛星を保護する役割を果たす。ロケットが宇宙空間に到達すると、二つに割れて落下する仕組み。通常はそのまま海に落ちて消えていくが、スペースXはこの状況を変えたい考えだ。

マスク氏は「空飛ぶパレットに600万ドル(約6億4000万円)の現金が載っていて、それが海に落ちていくとしたら、回収しようと思わないか」と述べている。

スペースXは過去に少なくとも2度、長さ約13メートルの割れたフェアリングを軟着水させることに成功した。

ただ、ジョージア工科大学の研究者によれば、水中に入ると内部の電子機器や部品が大きく破損し、再利用できなくなる可能性が高い。そこで30日の打ち上げでは、船舶を投入して待機させ、巨大なネットで受け止める態勢に入っていた。

企業や政府がフェアリングの回収と再利用に成功した例はまだない。

またスペースXが著名となったロケットの第1段部分の回収は今回行わなかった。今回使用したのは2017年10月にも打ち上げられた再利用品。同社は次期ロケット「ブロック5」のデビューに向けて、古いブースターの一部を廃棄していると伝えられている。

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