古代の巨大カンガルー、顔はウサギで人間のように歩いていた
(CNN) 10万年前にオーストラリアに住んでいたカンガルーの仲間は、ウサギのような顔で、人間のように直立歩行をしていたことが最新の研究で明らかになった。
オンライン科学誌「PIOS ONE」に掲載された「絶滅したジャイアントカンガルーの移動」という論文によれば、身長は2メートル超で体重250キログラムという巨体だったため、うまく跳べなかったらしい。約3万年前に絶滅した。
研究チームを率いた米ブラウン大学のクリスティン・ジャニス教授(進化生物学)は「歩いていたのでなければ、あれほど体が大きくなるはずがないと思う」と語る。
論文によれば、骨を生体力学的に分析した結果、この巨大なカンガルーの仲間は2足歩行をしていたと考えられるという。
「生体力学的にみてゆっくり跳ぶのが不可能だったとすれば、大きな動物であればなおさら(普通のカンガルーのように4本の足と尾を使った)5足歩行をするのは容易ではない」とジャニス教授は声明で述べた。
論文によればこの生物は「解剖学的にみて跳躍には向いていなかったが、体重を1度に1本の足に乗せるのには向いていた」。比較的大きな尻やひざの関節、骨盤の形といった特徴からも、この生物が2足歩行に適していたことがうかがえるという。
ただし、2足歩行と絶滅の間に関係があったかどうかは分かっていない。
ジャニス教授によれば、狩りをする人間から身を隠すことができなかった可能性や、気候変動で乾燥が進むなかで、餌が十分にある遠くの土地まで移住することができなかった可能性もあるという。