欧州最大級のレアアース鉱床を発見、中国依存から脱出も　スウェーデン

香港（ＣＮＮ） スウェーデンの鉱業会社ＬＫＡＢは、欧州で最大級のレアアース（希土類）の鉱床を同国北部で発見したと発表した。欧州は今回の発見によって、希少な資源に関して中国依存を軽減できる可能性が出てきた。

レアアースは、クリーンエネルギーの生産や、電気自動車（ＥＶ）や電子機器の製造で重要な役割を担っている。しかし、市場は中国が支配しており、米地質調査所（ＵＳＧＳ）によれば、世界生産の６０％を中国が担っている。

ＬＫＡＢは、１００万トン以上のレアアース酸化物を確認したと明らかにした。

ＬＫＡＢは今回の発見について、ＬＫＡＢやスウェーデンの人々だけでなく、欧州や気候にとっても朗報だと述べた。

欧州では現在、レアアースの採掘は行われておらず、輸入に頼っている。欧州委員会によれば、欧州連合（ＥＵ）はレアアースの９８％を中国から入手している。

ＬＫＡＢによれば、電化によって需要が急増し、地政学的な緊張が高まるなかで、レアアースの世界的な供給不足が起こるとみられている。

実際に採掘が始まるまでには時間がかかりそうだ。ＬＫＡＢは今年後半に採掘の許可申請を行う計画を明らかにしたが、他の許可申請の進捗（しんちょく）状況を参考にすると「実際に採掘を開始して市場にレアアースを供給できるようになるまでに少なくとも１０～１５年かかる見通し」だという。