イーロン・マスク氏、中台問題で一方的な提案 中国から歓迎も台湾は猛反発

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
中台関係を巡るイーロン・マスク氏からの一方的な提案が物議を醸している/Mike Blake/Reuters/File

中台関係を巡るイーロン・マスク氏からの一方的な提案が物議を醸している/Mike Blake/Reuters/File

香港(CNN Business) 世界一の富豪として知られる米実業家イーロン・マスク氏は11日までに、中国と台湾の敵対的な関係について、台湾政府が領土に対する支配権の一部を中国政府に譲渡すれば解決できるとの見解を示した。

中台間の緊張が過去数十年で最も危険な水準に達する中、マスク氏の見方を巡っては中国が称賛する一方、台湾では予想通りの怒りの声が上がった。

7日刊行の英紙フィナンシャル・タイムズに掲載されたインタビューの中でマスク氏は、ある程度許容できる案として、台湾を特別行政区とする方法に言及。「誰もが納得できるものにはならないだろうが」としたうえで、「それでも実現は可能であり、おそらく実際のところ香港よりも寛大な取り決めがなされると考えている」と述べた。

中国の秦剛駐米大使は8日、マスク氏の提案にツイッターで謝意を表明。「平和的な再統一と一国二制度」を呼び掛けた。

しかし台湾の蕭美琴駐米代表(大使に相当)はツイッターへの投稿で「台湾は多くの製品を売っているが、我々の自由と民主主義は売り物ではない」と書き込んだ。

中国政府は台湾に対し、香港と同様の「一国二制度」による統治を提案しているが、台湾で主流派を形成する全政党がこれを拒絶。一般からの支持もほとんど得られていない。

台湾の与党・民進党の有力政治家である王定宇氏は8日、フェイスブックへの投稿でマスク氏を厳しく批判。「同氏の解決法は、被害者の側に譲歩を強いるものに他ならない」と主張した。

マスク氏は数日前にも、ロシアによるウクライナ軍事侵攻の「和平案」についてツイートし、ウクライナのゼレンスキー大統領の怒りを買った。この中でマスク氏は、2014年にロシアが一方的に併合したクリミア半島を正式にロシア領とすること、ロシアが併合を宣言したウクライナ4州での住民投票を国連の監視下でやり直すことなどを提案していた。

「米国」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]