リモートワークの米国人に押し出される住民たち メキシコ市

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
為替レートの恩恵を受けようと多くの米国人が移り住んでいるというメキシコ市/Axel Hid/dpa/picture alliance/Getty Images

為替レートの恩恵を受けようと多くの米国人が移り住んでいるというメキシコ市/Axel Hid/dpa/picture alliance/Getty Images

(CNN) メキシコの首都メキシコ市では最近、リモートで仕事をしながら暮らす米国人が急増している。そのために街が様変わりして家賃などが高騰した結果、現地の住民が立ち退きを迫られるケースも目立つ。

サンドラ・オルティスさん(55)は4人のきょうだいとともに、街の中心部にある4階建てビルの1階でレストランを営んでいた。父が54年前にベーカリーとして始めた店で、地元住民に人気があった。

だがここ数年で米国などから裕福な外国人が街に流れ込み、それに合わせて改装、改築される建物が目立つようになった。

レストランが入っていたビルのオーナーもその流れに乗って改装を決めた。オルティスさんたちは抵抗して法廷でも争ったが、結局今年2月に立ち退きを命じられた。

5分で明け渡せと言われ、半世紀分の家財道具が路上に積み上げられた。

ビルは現在、高級アパートに改装する工事が進められている。向かいの店先には「ハロー、メキシコシティー!」と、新たな住人に向けた英語のメッセージが掲げられていた。

最近は確かに、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)や世界的なインフレで経営が苦しくなっていたと、オルティスさんは話す。この街に来たがる外国人を責めるつもりはない。だが今後、長期滞在の米国人がますます増え、多くの地元住民が締め出されることを心配しているという。

オルティスさんと姉妹らは今、街はずれにある別のレストランで働いている。

「メキシコ」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]