ニュースマックス司会者、「選挙の陰謀論」語るゲストのインタビュー打ち切り

予定になかった「選挙の陰謀論」をゲストが語り出し、インタビューが打ち切りに

2021.02.04 Thu posted at 15:30 JST

ニューヨーク(CNN Business) 新興右派メディアの「ニュースマックスTV」の番組放送中、インタビューを受けていた企業経営者が米大統領選挙の不正に関する陰謀論を話し始めたのを受け、司会者が慌てて発言を遮ろうとする一幕があった。同経営者がその後も話し続ける中、司会者はインタビューを打ち切って退席した。

ニュースマックスにとって大統領選の不正にまつわる話題は特に扱いが難しいものとなっている。同メディアの名が、選挙に使用された票の集計機について誤情報を広めたとする訴訟の対象に挙がっているためだ。

2日に放送された当該の番組では司会者のボブ・セラーズ氏が、枕の製造企業マイピローの最高経営責任者(CEO)を務めるマイク・リンデル氏にインタビューした。リンデル氏はトランプ前大統領の支持者として知られる。

予定されていたテーマは「キャンセルカルチャー(訳注:過去の言動などを理由に著名人や企業、ブランドなどを排除しようとする動き)」だったが、リンデル氏はインタビューの冒頭から大統領選で不正があったとする陰謀論に言及。「あらゆる選挙不正はドミニオン社の投票集計機によるものだ」「100%の証拠がある」と主張した。

セラーズ氏はすかさず口をはさみ、「ニュースマックスではそうした疑惑について一切確認が取れていない」と説明。続いて声明を読み上げる形で「明らかな証拠の下、不正投票や選挙にまつわる不規則な事象が一部で起きたケースはあるものの、今回の選挙結果はすべての州で承認された。ニュースマックスはこの結果を合法かつ最終的なものとして受け入れる」と述べた。

ツイッターは選挙に関する誤情報を繰り返し共有したとして、リンデル氏の個人アカウントを停止している。

また投票集計機メーカー、ドミニオン・ボーティング・システムズの幹部の1人は、選挙不正をめぐる虚偽の主張を行ったとしてニュースマックスなどを相手取り訴訟を起こしている。訴訟を受け、ニュースマックスは報道番組の一部分を使い、過去に広めた虚偽の内容を訂正した。

これとは別にドミニオンはリンデル氏にも書簡を送付。同氏に対する訴訟が「目前に迫っている」と警告した。リンデル氏はCNNの取材に答え、ドミニオンからの訴訟は望むところであり、「100%の証拠がある」と強調している。

セラーズ氏が上記の声明を読み上げる中、リンデル氏は声を張り上げ、「あなた方は私の発言を抑えつけた。ツイッターと全く同じだ」と非難。これに対しセラーズ氏は「キャンセルカルチャーについて話したかった」「あなたが唱える疑惑を蒸し返したくない」と反論した。

インタビューの開始から2分も経っていなかったが、ここでセラーズ氏は番組のプロデューサーにインタビューを打ち切ってよいか質問。「ニュースマックスではそうした疑惑について一切確認が取れていない」と繰り返すと、共同司会者の女性が発言を続ける中、自席を立ち、画面から姿を消した。

ただニュースマックスはその後、同日のうちに再びリンデル氏のインタビューを放送。同氏は別の司会者と、弾劾(だんがい)や自身のツイッターアカウント停止などについて語った。

セラーズ氏も別の放送に単独で再登場し、リンデル氏とのインタビューに関して「違うやり方で対処するべきだった」との見解を示した。またニュースマックスは素晴らしいとするリンデル氏本人の言葉を紹介し、同氏は今後もニュースマックスにとって重要なゲストであり続けると述べた。

ゲストが米大統領選の不正に言及、インタビュー打ち切りに

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