有人月面着陸計画で「トイレ」のデザイン公募、米NASA

NASAが有人月面着陸計画で使用する「トイレ」のデザインを公募している/NASA/HeroX

2020.06.27 Sat posted at 16:45 JST

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)などは27日までに、有人月面着陸計画「アルテミス」に伴い月面で使用可能な「トイレ」のデザインを公募すると発表した。賞金総額は3万5000ドル(約375万円)で、最優秀賞は2万ドル。

公募に関するデザイン上の指針によると、宇宙空間での微小重力と月面での重力の両方に耐えられる機能が必要。月の重力は地球の6分の1程度。2024年までの実現を目指すアルテミスでは初めて女性宇宙飛行士の月面への派遣も予定しており、トイレは男女共用となる。

また、水を貯蔵し、臭いや他の汚染物質を消去出来る汚れのない環境を維持出来る機能も要求。さらに、宇宙飛行士が便器内に頭を突っ込ませず嘔吐(おうと)出来るデザインにはボーナスポイントを付与するともした。

このトイレは月面車用で宇宙飛行士2人の14日間の活動を支える機能も求めた。汚物は月面車の外での処理もしくはためておいた後で保管施設への移送を想定。

消費電力は70ワット以下とし、平均的な浴室の換気用ファンより少ない騒音も指定した。掃除や管理が容易で、利用の間隔時間は5分以下になることが必要とした。

月面でのスペース確保は重要な問題になることから、トイレの重さは地球環境で33ポンド(約15キロ)以下とし、大きさは0.12立方メートル以下とも規定した。

国際宇宙ステーションに搭載されているトイレの大きさは小さな部屋程度となっている。

他の賞金は2位と3位がそれぞれ1万ドルと5000ドル。応募の締め切りは今年8月17日で、当選作品は10月に発表の予定。

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