米国の新型肺炎感染、最悪の事態を想定し準備 CDC所長

米疾病対策センターのロバート・レッドフィールド所長(右)がCNNの取材に応じた/CNN

2020.02.15 Sat posted at 18:38 JST

(CNN) 米疾病対策センター(CDC)のロバート・レッドフィールド所長は15日までに、中国中心に拡散する新型肺炎に触れ、米国内で広範に感染が拡大する最悪の事態に備えた準備を進めてきたことを明らかにした。

CNNの医療問題担当記者との会見で述べた。新型コロナウイルスについて多くの知見を持っていないとの現状を指摘。「ウイルスが今の流行シーズンもしくは今年以降にも残り続け、最終的には足場を得て、地域ごとに感染する事態も想定している」とした。

今月13日時点で米国内で確認された感染事例は計7州での計15件。カリフォルニア州の8件が最多となっている。

  
      
CDC所長に聞く、新型肺炎に対する米国の備え

同所長は会見で、このウイルスを十分に把握するにはより多くの研究が必要と強調。これまでは発生しうる米国内でのウイルスの進行を遅らせようと、感染例を追跡する監視網の構築や封じ込め戦略に注力してきたと指摘。

進行を遅くさせることはワクチンや抗ウイルス薬の開発、試験に必要な時間的余裕につながるとも強調した。現時点でこのウイルスに効力がある治療薬は知られていない。

新型肺炎の拡大に伴い世界保健機関(WHO)は国際的な渡航や交易に不必要な干渉となる規制を打ち出さないよう各国に要請した。レッドフィールド所長はこの点に関し、「米国人を守る対策が少なかったことで責められるより、過剰なまでの対策発動で批判された方が良い」などと述べた。

所長はまた、CDCは中国に対し新型肺炎対策での支援を約6週間前に最初に申し出たが、返答が依然ないことも明らかにした。

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