NFL王者のホワイトハウス訪問、急きょ中止に

NFL王者フィラデルフィア・イーグルスの表敬訪問について中止が決まった

2018.06.05 Tue posted at 16:43 JST

(CNN) トランプ米大統領は4日、米プロフットボールリーグ(NFL)の昨シーズンの王者、フィラデルフィア・イーグルスが5日に予定していたホワイトハウス表敬訪問が中止されたことを明らかにした。

トランプ氏は声明で、「イーグルスは明日、そろってホワイトハウスに来ることができなくなった」と発表。

NFLの一部選手が国歌斉唱で起立を拒否した問題を挙げて、同チームの選手たちが「起立を求める大統領に賛同していない」ことを指摘した。イーグルス側は少人数での訪問を希望したが、それでは参加を予定している1000人のファンに失礼だと批判した。

そのうえで、当日はイーグルスを招かずに「米国をたたえる」別の祝典を開き、自分も米軍の音楽隊とともに出席すると表明した。

トランプ氏は続いてツイッターでも、イーグルスを招待したが応じる選手が少なかったため、イベントを中止したと宣言した。

NFLでは2016年から、一部選手の間で人種差別への抗議を表明するため、試合前の国歌斉唱で膝をつき、起立を拒否する動きが広がった。トランプ氏がこれを非難したことに反発し、プロスポーツの選手らが相次いでホワイトハウス訪問を辞退してきた。

NFLは先月、選手に起立を義務づける新たなルールを決め、応じたくない選手はロッカールームにとどまることができると発表していた。

トランプ氏はイーグルスへのツイートで「国歌斉唱の時にロッカールームに残るのは、ひざをつくのと同じくらい国家に失礼だ」と非難した。しかしイーグルスにはこれまで、ロッカールームにとどまって抗議した選手はいない。

イーグルスは今年2月にNFL王者決定戦スーパーボウルを制した後、慣例に従ってホワイトハウスへの招待を受けた。

ある選手によると、チームはこれを受けて話し合いを重ねたが、トランプ氏への反発から訪問を希望しないメンバーが多かった。ただ、トランプ氏が挙げた起立拒否の件は話題に上らなかったという。

レギュラーシーズンの試合に出場したイーグルスの選手が、起立せずにひざをついた例はなかったとの情報もある。優勝メンバーだったトーリー・スミス選手は「みんなに会いたくないと言われたからといって、中止するのはひきょうだ。国歌のせいにするのもばかげている」と批判した。

地元フィラデルフィアのケニー市長も、トランプ氏は「集まる人数にこだわり、だれも来ないパーティーを開いて恥をかくのを恐れているだけだ」と、強い反発を示した。

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