盗撮行為は法に触れず 米マサチューセッツ州裁

米マサチューセッツ州の州法では盗撮が違法でない?

2014.03.06 Thu posted at 14:57 JST

(CNN) 路面電車の車内でスカート姿の女性を盗撮したとして起訴された男の裁判の控訴審で、米マサチューセッツ州の裁判所は5日、この男の盗撮行為は州法に違反しないとする判断を示した。

この事件では、ボストン市内を走る路面電車の車内で携帯電話を使って女性のスカートなどを下から盗撮したとして、マイケル・ロバートソン被告(32)が2010年に逮捕された。

警察は被害届が出されたことを受け、同被告を逮捕するためのおとり捜査を展開。ワンピース姿の女性警官を下から盗撮しようとした現場を押さえ、ロバートソン被告は「部分ヌード」状態の人物に対する盗撮未遂などの罪で起訴された。

検察側は、「ヌードあるいは部分ヌード」の人物を密かに撮影する行為を禁じた法律が、スカートの盗撮にも適用されると解釈していた。

これに対してロバートソン被告側は裁判で、女性乗客は「ヌードでも部分ヌードでもなかった」と主張。一審ではこの主張を退けたが、州最高裁のマーゴット・ボツフォード裁判官は5日、一審の判断を覆して被告側の主張を認め、「女性乗客はスカートを着用しており、『部分ヌード』ではなかった」と認定した。

現行法がプライバシーを守れない場合は迅速な立法が必要との声も

この解釈に基づき、「部分ヌード」に関する州法は「衣服を身に着けていた人物の写真撮影に対しては適用されず、被告人が罪に問われた種類の盗撮行為にその範囲は及ばない」と判断した。

この判断について法律に詳しい専門家は、法が技術の進歩に追いついておらず、女性のプライバシー権に対する侵害だと批判している。

同州サフォーク郡のダニエル・コンリー検事は5日、「男女を問わず、誰もが自分の衣服の下のプライバシーを守る権利を持っている」「現行の法律がそのプライバシーを守れないのであれば、立法府が迅速に動き、プライバシーが守られるよう是正する必要がある」との談話を発表した。

盗撮行為は法に触れず? 米マサチューセッツ州裁

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