脱北した母親と息子が餓死か、ソウル市内で抗議デモ

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脱北した母子が餓死か、ソウルで抗議デモ

韓国ソウル(CNN) 韓国の首都ソウルのアパートで北朝鮮から脱出した女性と息子が餓死したとみられるケースをめぐり、文在寅(ムンジェイン)大統領に謝罪を求める脱北者数百人らが21日、同市内でデモを実施した。

デモ隊は当局が脱北者の福祉を無視していると主張し、死亡したハン・ソンオクさんを「返せ」と唱えて行進した。

42歳のハンさんと6歳の息子は、今年7月に遺体で発見された。数カ月前から水道代を滞納していたため、様子を見に行った検針員が異臭に気付いて警察に通報した。

部屋の冷蔵庫が空になっていたことから、警察は餓死の可能性があるとの見方を示した。しかし遺体の腐敗が進んでいたため、死因は特定できなかった。

韓国では母子の死を受けて、徹底調査や再発防止策を求める声が高まった。韓国統一省は今月、謝罪のコメントとともに対応策を発表。韓国にいる脱北者全員の現状を調査し、政府機関同士の情報共有を強化するなどの計画を示したが、脱北者団体はさらなる改善を要求している。

ハンさんは2007年に北朝鮮を脱出した。脱北者仲間としてハンさんを長年支援していた活動家によると、中国に住む韓国系中国人の夫に売り渡されたが、その後離婚し、息子を連れて昨年ソウルに移り住んだ。息子にてんかんがあって目を離せず、働くことができないとして生活保護を申請したものの、書類の不備を理由に却下されていたという。

韓国は1998年以降、計3万2000人の脱北者を迎え入れてきた。当局は脱北者に一時金や生活保護を支給しているが、金額が不十分との指摘もある。子育てなどのため仕事に就けない人が多く、昨年の調査によると脱北者の失業率は一般市民より2.9%高かった。

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