シリア化学兵器で調査機関設置の決議案、ロシアが拒否権

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シリアをめぐる対立が激化

ワシントン(CNN) シリアの首都ダマスカス近郊ドゥーマで化学兵器が使われたとされる問題をめぐり、国連安全保障理事会で10日、独立調査機関を新設する決議案が採決にかけられたが、ロシアが拒否権を行使して廃案となった。

決議案は米国が提案していた。アサド・シリア政権によるとみられる攻撃を非難し、人道支援チームの立ち入りをただちに可能にするよう求める内容だった。

米国のヘイリー国連大使は「ドゥーマの住民と国際社会が安保理の行動を待っているのに、ひとつの国がそれを妨げた」「歴史にはロシアがきょう、シリア国民の命より怪物を守ることを選んだことが記録されるだろう」と非難。「ロシアは安保理の信用を失墜させた」と主張した。

スウェーデンのスコーグ国連大使は「過去にも見たことのある悲劇」だと述べた。ロシアは昨年11月、シリアでの化学兵器使用を調べていた調査機関の任期延長に拒否権を発動していた。英国のピアス国連大使は、ロシアがシリアの化学兵器関連で拒否権を行使するのはこれで6度目だと指摘した。

米国案とは別にロシアも同日、安保理の監督下で調査機関を設立する決議案を示したが、米国など7カ国が反対票を投じた。ヘイリー氏によると、この案はロシアに調査員選任の承認権を与え、報告書の発表前に安保理がチェックすることを認める内容だった。ロシアはさらに、化学兵器禁止機関(OPCW)による調査を支持するとの決議案を出したが、これも否決された。

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