フィリピン議員、「超法規的殺人」急増の報道を否定

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(CNN) フィリピンのドゥテルテ大統領が進める「麻薬戦争」で多数の死者が出ているとされる問題で、同国の代表者は8日、国連人権理事会の会合で「殺人件数は増えていない」と主張し、メディアの報道を批判した。

同国の人権状況を取り上げたこの会合には、ドゥテルテ氏の腹心とされるアラン・ピーター・カエタノ上院議員が出席。既存メディアはもはや情報源にならないと批判した。野党勢力が広めた麻薬戦争についての「代替的事実」を国内メディアが報道し、欧米メディアはそれを繰り返していると述べた。

代替的事実という言葉は、トランプ米政権のコンウェイ大統領顧問が大統領就任式の人出をめぐり、事実に反して「史上最大」と主張したスパイサー報道官を擁護する際に使って話題となった。

ドゥテルテ政権は人権団体などから、麻薬戦争と称して超法規的殺人を横行させているとの批判を浴びてきた。

これに対してカエタノ氏は、過去の政権下で年間1万1000人から1万6000人が殺害されていたのに対し、昨年6月末にドゥテルテ政権が発足してからの死者は9432人、このうち捜査当局の正当な作戦で殺害されたのは2692人だと主張。フィリピンの人権委員会が「超法規的殺人」の定義を変更したために、件数が急増したかのようなデータが出ているだけだと反論した。

フィリピン警察も先週、首都マニラでのイベントで麻薬戦争の成果を強調するビデオを流し、外国のメディアは取り締まり作戦による死者数を誇張していると訴えた。これに合わせ、ソーシャルメディアを通して「本当の数字を知ろう」と題したキャンペーンも展開していた。

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