プーチン政権批判の前ロシア議員、射殺 ウクライナで

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プーチン政権に批判的な前ロシア下院議員のデニス・ボロネンコフ氏が射殺された

プーチン政権に批判的な前ロシア下院議員のデニス・ボロネンコフ氏が射殺された

キエフ(CNN) ウクライナの首都キエフで23日、前ロシア下院議員のデニス・ボロネンコフ氏が男に射殺された。ウクライナのポロシェンコ大統領は事件が「ロシアの国家的テロ行為」だと非難している。

事件はホテル前で白昼に発生した。容疑者の男はボロネンコフ氏のボディーガードによって撃たれ、搬送先の病院で死亡した。男の身元や動機は明らかになっていない。

ポロネンコフ氏は共産党に所属し、ロシア政府やプーチン大統領への批判的な発言で知られていた。昨年10月、ロシア治安機関からの圧力を理由に、同じく下院議員で与党統一ロシアに所属していた妻マリア・マクサコワ氏とともにロシアを離れウクライナに入っていた。

ポロシェンコ大統領はツイッターで、事件は「ロシアの国家的テロ行為」であり、ボロネンコフ氏は「ウクライナに対するロシアの侵略の重要な証人の1人」だったと述べた。ボロネンコフ氏はロシアのクリミア半島併合を批判し、ヤヌコビッチ前ウクライナ大統領の国家反逆容疑での捜査に協力していた。

ロシア国営タス通信によれば、ロシアのペスコフ大統領報道官はポロシェンコ大統領の発言を受け、同国が殺害に関与しているという主張は「ばかげている」と述べた。

ウクライナのルツェンコ検事総長はボロネンコフ氏が生前、「非常に重要な証言」を行ったと述べ、殺害は「証人の見せしめ処刑だ」と述べた。

ボロネンコフ氏はロシア国会ではクリミア半島併合に賛成票を投じたと記録されている。この点、同氏は別の議員が欠席中の同氏の票を勝手に入れたものだと説明。一方で、ペスコフ報道官はこの説明を否定していた。

ロシア当局は今年2月、ボロネンコフ氏を詐欺容疑で立件。同国のスプートニク通信は、同氏は捜査から逃れるためにロシアから逃亡したと伝えた。同氏は政権批判が訴追を招いたとの見方を示し、偽の政治的な動機によるものだと主張していた。

近年、ロシア政府やプーチン大統領に批判的な人々が、不可解な状況で殺害されるなどのケースが相次いでいる。2015年にはエリツィン政権で第1副首相を務めプーチン氏に批判的だったボリス・ネムツォフ氏がモスクワ中心部で射殺された。先月には同氏の友人で活動家のウラジーミル・カラムルザ氏が毒物が原因と疑われる昏睡(こんすい)状態に陥った。

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