オーストリア、顔覆うベールの着用禁止へ 政府が方針発表

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イスラム教徒の女性のベールについて、公共の場での着用を禁止する意向を表明

イスラム教徒の女性のベールについて、公共の場での着用を禁止する意向を表明

(CNN) オーストリア政府は1日までに、イスラム教徒の女性が顔を隠すベールについて、公共の場での着用を禁止する方針を明らかにした。

連立政権を組む社会民主党と国民党はこのほど、「オープンな社会」を目指す構想をまとめた35ページの文書を発表。顔全体を覆うベールを公共の場で着用することはこの流れに逆行するとして、禁止を表明した。

文書はさらに公務員や判事、検事らにも宗教的中立を示す服装を義務付け、ベールを事実上禁止している。

ただし禁止令を施行するには議会の承認が必要とされる。

政府の方針発表に対し、イスラム団体やイスラム教の研究者からは「オーストリアの民主主義と多様性の後退」「国を挙げた差別だ」と反発の声が上がっている。

政府はまた、難民申請者や一部の移民にオーストリア社会への「同化」の宣誓を義務付けて違反者に罰を科すこと、国境警備を強化することなどを文書に盛り込み、1年半の準備期間を設けている。来年中に実施される見通しの総選挙に向け、移民排斥を訴えて勢力を増している右派、自由党を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。

顔を覆うベールをめぐっては、ドイツのメルケル首相も昨年12月、同様の措置を表明した。フランス、ベルギーやスイスの一部でも禁止の動きが相次いでいる。

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