エジプト裁判所、政府によるサウジへの島引き渡しに「待った」

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エジプトのシーシ大統領(左)とサウジアラビアのサルマン国王

エジプトのシーシ大統領(左)とサウジアラビアのサルマン国王

(CNN) エジプトの裁判所は16日、紅海に浮かぶ2つの島をサウジアラビアに引き渡すとする両国間の取り決めを認めない判断を下した。

エジプト政府は昨年4月に島をサウジに譲渡する方針を発表。その後、譲渡に反対する声が広がり、2人の人権派弁護士がエジプトの裁判所に対し、両国の合意への異議を申し立てていた。

ロイター通信によれば裁判所は、当該の島の統治権がエジプトに帰属することについて「反論の余地のない証拠」があると判断したという。

島を譲渡するエジプト政府の計画は、サウジがエジプト国内に数十億ドル規模の投資を行う意向を明らかにした後で持ち上がったものだった。両国の間に位置するこれらの島は、ヨルダンやイスラエルへの航路上にあることから戦略的な重要性を持つ。ソーシャルメディアには、裁判所の決定を歓迎するコメントが多く寄せられた。

英シンクタンク、王立国際問題研究所(チャタム・ハウス)の中東・北アフリカの専門家、デービッド・バター氏はエジプトとサウジの関係や当該の島の領有権をめぐる歴史が「複雑なものである」と指摘。今回の判断が上訴される可能性も残されており、「問題が完全に終結したわけではない」と語った。

エジプトでは2011年に起きた政変後、観光業の不振などが響き経済が低迷。昨年末には国内における食料や医薬品の供給不足が報じられていた。

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