インド、干ばつ被害深刻 農民ら語る「地獄」の年月

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インド経済の脆弱さが浮き彫りに

インド・ハリヤナ州(CNN) 2年連続の干ばつに見舞われたインドで、農業生産への打撃が深刻化している。雨季の始まりを今か今かと待ちかねる農民たちは13億人の人口の半数を占めるが、安定した収入が得られず苦境にあえぐ。国内経済の抱える矛盾が浮き彫りになっている。

北部ハリヤナ州ビワニ周辺を車で走れば、干上がった水路と乾ききった畑が続くばかり。野生のレイヨウが水を求めてうろついている。

「この2~3年は地獄だった。農民たちは借金を返すために家畜や家を売った。わが子を売ることを考える人もいるくらいだ。ひどい話だろう」とある農民は言う。

インドは気候に景気が左右される世界で唯一の経済大国と言われている。2兆1000億ドル(約224兆円)の国内総生産(GDP)のおよそ18%は農業が占めている。収穫は6~9月の雨季に雨が降るかどうかに大きく左右される。インドの耕地の63%は灌漑(かんがい)用水とはつながっていないため、雨が経済に与える影響は大きい。

インドの経済自体は、この2年の少雨にもかかわらず急成長を続けている。今年1~3月期のGDPの伸び率は7.9%と、主要国の中では最高水準を記録した。だが農民にとっては遠い世界の話だ。

「インドが成長しているというが、いったいどこの話だ? ここでは昔ながらの問題に振り回されている。祖父たちは雨の神に祈り続ける一生だった。私も同じだ。子どもたちの将来も似たようなものだろう」と別の農民は言う。

インド気象当局は今年の雨季には「平年以上」の雨が降ると予想している。

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