イラク軍、ファルージャ中心部へ進撃開始 住民巻き込む恐れ
ただファルージャでは今後の市街戦で、市内に残る多数の住民が戦闘に巻き込まれる恐れがある。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、空爆の激化ですでに推定5万人の市民が危険にさらされていると警告。さらに、ISISの戦闘員になることを拒否して殺害される成人男性や少年の数が急増していると指摘する。そのうえ戦闘で民家が倒壊し、住民ががれきの下で生き埋めになったり、死亡したりする例も後を絶たないという。
軍によると、住民のうちすでに退避したのは女性や子どもを中心とした数百人。難民支援団体のノルウェー難民評議会(NRC)は、住民らが食料や医薬品、電力の不足に直面していると報告した。
イラク北部モスルの近郊でも29日早朝から、クルド人自治区の治安部隊「ペシュメルガ」が複数の村に奪還作戦を仕掛けている。
隣国シリアでは先週、ISISが「首都」と称する北部ラッカに対し、クルド人とアラブ人の部隊が進撃を開始した。