イラン大統領がイタリア訪問 美術館の裸像に覆い

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ローマ法王フランシスコ(右)と会談するイランのロハニ大統領=Vatican TV

ローマ法王フランシスコ(右)と会談するイランのロハニ大統領=Vatican TV

(CNN) イランのロハニ大統領はこのほど、訪問先のローマでレンツィ伊首相と会談した。イタリアのメディアによると、会場となった美術館ではイランのイスラム文化に対する配慮から、裸像の彫刻が全て白いパネルで覆われた。

ロハニ大統領とレンツィ首相はローマのカピトリーノ美術館で会談し、共同声明を発表した。

会談ではローマ皇帝マルクス・アウレリウスの立派な像が室内を見渡していたが、隣室に展示されたビーナス像などは全て覆われた。

これに対してインターネット上のソーシャルサイトには「経済的な利益のためにイタリアの歴史と文化を犠牲にした」などと、強く反発する書き込みが相次いだ。ツイッターには、同国の有名な裸像の画像が次々と投稿された。

美術館を運営するローマ市当局の報道担当者によると、会談の計画は首相府が立案したという。イタリア政府からこの件についてのコメントは出ていない。

イランの大統領が欧州を訪問するのは16年ぶり。ロハニ氏は昨年11月にフランス訪問を予定していたが、パリ同時多発テロの発生を受け、直前に中止していた。イランは最近、核開発問題をめぐる最終合意を履行していることが確認され、欧米諸国が経済制裁を解除したばかりだ。

ロハニ氏はローマでレンツィ氏のほか、マッタレッラ大統領やローマ法王フランシスコとも会談。イタリア企業との間で170億ユーロ(約2兆1900億円)規模の事業契約を結んだ。晩餐(ばんさん)会ではイスラム教徒の要人を迎える際の外交慣習に従い、酒類は提供されなかった。

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