高級カフェに襲撃、昔からの住民が経済格差に反発 ロンドン

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ギャリー・キーリー店長と双子のアランさん

ギャリー・キーリー店長と双子のアランさん

ロンドン(CNNMoney) 英ロンドンのトレンド発信地として注目されている東部のショーディッチで、新興のカフェが襲撃される事件が起きた。ショーディッチはここ数年の間にハイテク新興企業や流行に敏感な層が集まる地域として発展。これに対して古くからの住民が反感を募らせていた。

事件が起きたのは現地時間の26日夜。「シリアルキラーカフェ」の前に数百人の集団が火の付いたトーチなどを持って集まり、ペンキや発煙筒を投げつけるなどした。

同店のギャリー・キーリー店長によると、店は扉を封鎖して襲撃を防ぎ、客やスタッフは物陰に身を隠したという。

同店は2014年に開店したばかり。「相手は格差戦争に抗議して個人経営の店を狙い撃ちにしている。私たちは宣伝のためのスケープゴートにされた」とキーリー店長は嘆く。

ロンドン警察によると、この騒ぎで1人が器物損壊容疑で逮捕され、警官1人が瓶で殴られて軽傷を負った。

ツイッターには今回の抗議デモを主催した団体が襲撃を認める声明を掲載。支持者の1人はブログで、「シリアルキラーカフェは侵略集団の象徴として標的になった。この集団はショーディッチを乗っ取り、家賃を急騰させ、長年ここで暮らしてきた普通の人たちを追い出している」と訴えた。

別の参加者は英紙ガーディアンへの寄稿で同地域が抱える貧困問題や新興住民との格差問題に触れ、「同地の多くの住民は、屈辱をしのんでフードバンクを頼りに子どもを養っている。一方でショーディッチの新住民は、子ども向けのシリアルを1杯5ポンド(約900円)で売るビジネスを成功させている」と指摘した。

それでもキーリー店長は「嫌がらせには屈しない」とひるまない様子。カフェは27日朝、営業を再開した。

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