より良き世界に向けて学んだ教訓 安倍首相が寄稿

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人間の安全保障

人間の安全保障とは、個々人の重要性を認め、開発途上国の成長を確保する鍵が個人の才能や能力を伸ばし、自立を確立し、より広く社会に貢献できる状態に人々を置くことにあると認識することだ。成長は皆を包含する必要があり、誰一人取り残されてはならない。日本が特に女性を含む最も弱い立場の人々を支援するのはそのためだ。保健医療サービスでの協力もまた、人間の安全保障を強化するために日本が力となれる分野だ。

例えば、カンボジアでは、日本は妊婦のケアに関する技術的な訓練を実施し、乳児死亡率の劇的な低下に貢献してきた。バングラデシュやケニアでは水質浄化プロジェクトを支援し、スリランカの漁村では女性が主導するビジネスの援助を進めている。西アフリカの各国では、最近のエボラ出血熱拡大を食い止めるため、医療専門家の派遣や備品、資金の提供を行ってきた。こうした取り組みには多くの日本の女性が貢献しており、よりよい社会の構築に向けて各国の現地の人々を支援していることを私は誇りに思う。

自助努力の支援

人間の安全保障の問題と結びついてくるのが、開発途上国の市民が新しい技術や能力を獲得し、自助努力するのを支援することの必要性だ。人々がさらなる成長と経済的自立を目指し獲得するために、必要な支援を行っていくことになる。一つの方法は、人材育成力を高めるために技術教育や訓練に助成金を出すことだ。その結果、国の発展や成長の強固な基盤となる国内主導型の取り組みが進み、国内経済や地元の産業が発展してきた。

私はこの方法を支持し続けてきており、20年近くにわたって、ミャンマーやカンボジアなどアジアの後発発展途上国のいくつかで、学校を建設するプログラムを個人的に支援してきた。一方タイでは、同国の将来のビジネスと産業を担う若い人々の育成に向け、技術教育とともに民間企業での訓練機会を提供する専門機関の創設に携わってきた。

私はアフリカでも同様に、2013年、「アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ」(ABE<African Business Education>イニシアティブ)を立ち上げた。修士号を取得し、日本の企業でインターンシップを行う機会を提供するものだ。また14カ国でさらなる産業発展を実現するために、数学と科学の教育プログラムを導入した。

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